Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
本研究は,デジタルカメラ,携帯電話といった,手での操作を必要とする情報機器に対し,人間の手の形状と運動を精密に模擬できるデジタルハンドモデルを用いて,計算機上で仮想的に「持ちやすさ」「操作しやすさ」の評価(エルゴノミック評価)を行い,機器の設計を支援するシステムを開発することを目的としている.本年度は,実被験者もしくは代表的な日本人の寸法値をもつ手表皮形状を模擬したデジタルハンド表皮メッシュに対し,測定した特徴点群を利用して,関節回転角にもとづいた変形を行う手法の開発を行い,従来のデジタルハンドに比べ,より高精度かつ高速に人間の表皮変形特性を再現可能であることを確認した.また,製品モデルに対するデジタルハンド把持姿勢生成において,物理シミュレーションエンジンを用いて,動力学シミュレーションにもとづいたデジタルハンドの姿勢制御を行うことで,ハンド初期姿勢のわずかな差異によらず,動力学的に安定かつ人間らしい把持姿勢を高速に得る手法を開発した.これにより,従来の運動学にもとづく最適化手法によるデジタルハンド把持姿勢生成における,莫大な制御変数の組み合わせによって計算コストが大きいこと,また,製品モデルとの接触による手表皮の変形が再現できないため,製品に対するハンドの接触力等を考慮したエルゴノミック評価を高精度に行えないことなどの問題を解決することができた. 以上の成果は,論文として投稿されたほか,国際会議発表として公表され,より国際的競争力の高いエルゴノミックデザインをもつ情報機器開発に向けた支援システムとして,より期待が高まっている.
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