波形インバージョンによる局所的なマントル遷移層構造の推定
Project/Area Number |
08J02141
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Solid earth and planetary physics
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
冨士 延章 The University of Tokyo, 大学院・理学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 波形インバージョン / マントル遷移層 / 非弾性減衰 / 特異値分解 / 共役勾配法 / モデル尤度 / 偏微分係数 |
Research Abstract |
本年度は、昨年度に引き続き日本付近下の上部マントルおよびマントル遷移層をサンプルした20-200秒帯域の実体波波形を用いて、6地域の1次元S波速度構造及び非弾性減衰構造の同時推定を行った。これまで、インバージョン手法として特異値分解(SVD)を用いたが、将来的にモデルパラメータ数が膨大になる3次元推定を行うことを考えて、共役勾配法(CG)の導入を行った。これにより、モデルのスムーズ化を行うことができ、より少ない独立パラメータでSVDと同様の結果を得ることが示された。さらに、本インバージョンでは、複数の次元の異なるパラメータを扱うため、スケーリング則について考察を行い、モデルのスムーズ化に成功している。また、初期モデル依存性・反復インバージョンの不必要性について示し、インバージョン方法に対するモデルの鈍感さを示し、インバージョン手法を確立することができたといえる。 また、インバージョンで得られたQ~50というこれまで報告されたことのないマントル遷移層での大きな減衰について、さらなる考察を行った。フォワードモデリング実験を行うことによって、一本一本の波形に現れる特徴から、少なくとも20-200秒帯域ではQ~50という値はデータをよく説明できているということを示した。この結果は、マントル遷移層内の水・温度状態について重要な情報をもっており、さらなる研究では、ETH Zurichの高圧物性のグループと共同研究を行い、直接的にマントル遷移層の物性を調べる方法を模索していく予定である。 なお、これらの結果は、11.研究発表に示された雑誌論文・学会発表において発表済みであり、2010年の研究代表者の博士論文において、その詳細を記している。
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Report
(2 results)
Research Products
(20 results)