フーリエ制限法による非線形分散型偏微分方程式の適切性の解明
Project/Area Number |
08J02196
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Basic analysis
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
岸本 展 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | ザハロフ方程式 / 初期値問題の適切性 / 周期境界条件 / ソボレフ空間 / フーリエ制限ノルム / I-メソッド / 非線形シュレディンガー方程式 / KdV方程式 / フーリエ制限法 |
Research Abstract |
今年度の研究では,ザハロフ方程式の周期境界条件下での初期値問題の適切性について著しい進展があった.ザハロフ方程式はプラズマ物理におけるラングミュア乱流のモデルとされ物理的にも重要な非線形分散型方程式の一つである.空間領域をユークリッド空間とした(周期境界条件を課さない)場合にはザハロフ方程式の適切性は非常によく研究されているが,周期境界条件を扱った結果は過去に空間1次元でしか知られていなかった.本研究では空間2次元以上の場合に,初期値をソボレフ空間にとり,フーリエ制限ノルムによる時間局所適切性の証明を与えた.特に2次元の場合にはエネルギー空間における適切性を示し,また得られた結果が逐次近似法を用いる限り最良であることもわかった.1次元では未知関数の周期が適切性の成り立つソボレフ指数に影響を与えることが知られていたが,2次元では周期による結果の差異がなくなるという興味深い事実も判明した.これは角度成分の存在による非線形相互作用の複雑化が原因であり,本研究の核心部分である非線形相互作用の精密な解析を行うことで初めて示されるものである.また,周期境界条件下ではユークリッド空間の場合に比べて平滑化効果が弱く,逐次近似項の適切な評価式を得ることが格段に困難となるが,方程式の幾何的性質を最大限に活用することによってそれを克服した.これらの結果は台湾の国立成功大学で開催された国際会議等で発表した.さらに,2次元の場合にI□メソッドを適用し,エネルギー空間より広いクラスでの小さい初期値に対する時間大域適切性も示した.2次元ユークリッド空間の場合には同様の結果が知られていたが,本研究ではI□メソッドにおいて中心的な役割を果たす「殆ど保存する修正エネルギー」の構成過程を見直すことでその結果を改善し,周期境界条件下の場合にも時間局所適切性のための評価式をうまく適用して同様の大域適切性を得た.
|
Report
(3 results)
Research Products
(26 results)