Project/Area Number |
08J02205
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology (2009) Nara Women's University (2008) |
Principal Investigator |
山口 幸 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 海洋・極限環境生物圏領域, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | エボシガイ類 / 同時的雌雄同体 / 矮雄 / 性表現 / 生活史戦略 / 性配分 / 資源分配 / フジツボ類 / 体サイズの連続化 |
Research Abstract |
1)フジツボ類の体サイズ連続化を組み込んだ資源配分と多様な性表現を説明するモデル フジツボ類の性の多様性を少ない環境要因で説明する数理モデルを作成した。このモデルでは、従来の生活史戦略理論と性配分理論を統合している。つまり、体サイズの連続化および成長、雄機能そして雌機能の3つの資源配分をおこなっている。本モデルでは、資源獲得指数と死亡率の2つの環境要因が進化的に安定な資源配分戦略に与える影響を調べた。その結果、同時雌雄同体のみ、同時雌雄同体と矮雄、雌と矮雄というフジツボ類で見られる3つの性表現すべてが、環境条件に依存して現れることがわかった。また、本モデルでは、純粋な同時雌雄同体ではなく、雄性先熟的同時雌雄同体が現れることが予測された。 2)有柄フジツボ類ヒメエボシの生活史解明への基礎的データ収集 ヒメエボシは、深海性の甲殻類に付着する有柄フジツボである。沖縄美ら海水族館の協力のもと、ヒメエボシがハコエビのどの位置についているかを調べた。ヒメエボシは水流を受けやすい、ハコエビの頭胸部と第一腹節の境目や歩脚の第三関節部分に集合していた。水流を受けやすいところに付着することでえさが取りやすいと考えられる。また、ヒメエボシが集合しているところでは、繁殖相手を得やすいと考えられる。ヒメエボシは雌雄同体であることが知られているが、小さな雄(矮雄)の報告はまだない。今年の調査で矮雄と見られる個体(同種個体に付着する小さな個体)が数多く見られた。一般的に矮雄が出現する条件は、雌雄同体の場合、繁殖集団が大変小さいときと言われている。しかし、同種個体に付着したヒメエボシが大きく成長した標本も観察された。このことは、ヒメエボシは小さいうちは雄機能だけを持ち、後に雌雄同体として繁殖するという生活史を持っているのではないかと示唆される。今後、生殖切片を作成して、この仮説を検証する必要がある。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)