Project/Area Number |
08J02438
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Medical pharmacy
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西原 久美子 Kyoto University, 医学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 慢性腎不全 / マイクロアレイ / 近位尿細管 / マイクロダイセクション / 細胞周期 / シスプラチン / バイオマーカー / 細胞増殖 |
Research Abstract |
腎臓の近位尿細管は、生体必須物質の再吸収および、薬物の尿中への分泌を担う器官として重要視されながら、その機能を反映する分子生物学的指標が不足しており、臨床的にも重要な問題点として位置づけられている。本研究は、単離近位尿細管を用いた遺伝子発現解析を行うことにより、尿細管障害進展の分子メカニズムを系統的に解明し、新たな尿細管機能マーカーの特定に繋げることを目的とする。代償性腎不全期におけるCyclinB2およびCell division cycle 2(Cdc2)の役割慢性腎不全のモデル動物である5/6腎摘出(Nx)ラットの代償性腎不全期において、細胞分裂期を制御するCyclin B2およびCdc2が近位尿細管特異的に上昇すること、残存腎中のキナーゼ活性がCdc2発現量と良好に対応することを見出した。また、mTOR経路の阻害薬およびCdc2の特異的阻害剤の投与によって、尿細管上皮細胞の増殖(分裂)抑制と、それに伴う全般的な腎機能の増悪を確認することができた。すなわち、Cyclin B2およびCdc2はネフロン数減少を補完するための修復過程における鍵分子であり、増殖能を維持した尿細管上皮細胞を判別するための分子生物学的指標として有用であることが示唆された。シスプラチン腎症マーカー分子の探索典型的な薬剤性腎障害モデルであるシスプラチン腎症ラットの単離尿細管を用いて、腎組織障害の増悪を反映する分子の探索を行ない、Monocyte chemotactic protein-1(MCP-1)に着目した。MCP-1の発現量は、シスプラチン投与直後から顕著に上昇し、近位尿細管上皮細胞において特異的に産生されることが明らかとなった。また、尿中に漏出するMCP-1は、血清クレアチニン値や血中尿素窒素値に比して早期に上昇することから、より鋭敏に尿細管障害を検出し得るバイオマーカーとして有用であることが示唆される。
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