歯の器官原基の初期誘導と分化を制御する分子機構の解析
Project/Area Number |
08J02507
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
石田 研太郎 東京理科大学, 基礎工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 歯胚 / 器官原基 / 上皮・間葉相互作用 / 遺伝子 / 歯の発生 / 器官原基法 / 歯胚誘導 / 器官発生生物学 |
Research Abstract |
本研究課題では、上皮・間葉組織の相互作用により誘導される歯胚の初期発生の時期特異的、空間的制御の分子メカニズムを明らかにする目的で、私たちが開発した器官原基法によって作製した人工器官原基の初期発生における遺伝子発現を網羅的に解析した。さらに、再生歯胚発生は正常歯胚発生を再現することから、再生歯胚と正常歯胚発生の初期発生において共通に発現している遺伝子は、歯胚発生に必須の遺伝子群である可能性が高いと考えられた。そこで、正常歯胚発生過程における遺伝子発現変動を網羅的に解析し、発生時期特異的に発現が上昇する379遺伝子の発現時期と発現部位を解析した。その結果、83遺伝子が歯胚特異的に発現し、そのうち11遺伝子が歯胚発生のシグナルセンターであるエナメルノットで特異的に発現することが判明した。エナメルノットは、各種サイトカイン、転写因子を発現することによって、歯胚形成・歯胚発生を統合的に調節するとともに、細胞増殖を負に制御することで歯の形態形成を制御することが知られている。これらのことから、上記の11遺伝子は、歯胚の初期発生・形態形成において重要な役割をもつ可能性が示唆された。そこで、歯胚発生における遺伝子機能を解析するために、高タイターアデノウイルスを歯胚の任意の部位に局所的に注入する、遺伝子導入型歯胚の作製技術を確立した。この技術を用いて、上記の遺伝子群を歯胚上皮組織のエナメルノット外の領域に局所的に遺伝子導入した。その結果、3つの核内分子が細胞増殖マーカーであるKi67陰性の細胞増殖停止領域を異所的に誘導した。さらに、これらの遺伝子を歯胚上皮細胞株に強制発現させたところ、細胞増殖を有意に抑制した。以上の結果から、歯胚の初期発生過程の網羅的な遺伝子発現解析とその分子機能の解析から、エナメルノットで特異的に発現し、歯胚の形態形成に関わる細胞増殖を制御する新規の3遺伝子を同定した。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)