フラグメント生成を含めたあらゆる粒子生成を可能にする核反応シミュレーションの実現
Project/Area Number |
08J02608
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nuclear engineering
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
岩元 大樹 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | フラグメント生成 / コアレッセンスモデル / ノックアウトモデル / 核内カスケードモデル / 二重微分断面積 / トリウム |
Research Abstract |
当該年度は、前年度に引き続いて重陽子やヘリウムなどのフラグメント生成を計算できる核反応シミュレーションコードの開発とモデルの高度化をおこなった。具体的には、核内カスケードモデルと呼ばれる従来の核反応モデルに、フラグメント生成モデルを新たに組み込んだ。フラグメント生成モデルには、コアレッセンスモデルとノックアウトモデルを採用した。これらのモデルの系統性を、幅広い入射エネルギーと標的核に対して調査した。モデルの高度化とパラメータチューニングをおこなった結果、本研究で開発したコードは、広範囲の入射エネルギーと標的核に対して実験データを精度良く再現できることが判明し、フラグメント生成に関する実験値の予測精度は、従来の核反応シミュレーションコードに比べて著しく向上することがわかった。 人体の構成要素である炭素などの軽核に対しては、被ばく線量評価に重要であるにもかかわらず、従来の核反応コードでは実験値を再現できないことが指摘されていたが、本研究でモデルの高度化をおこなった結果、軽核に対しても実験値を精度よく再現できることが判明した。 当核反応コードを放射線遮蔽設計や被ばく線量評価などの工学利用に適用できるように、放射線輸送計算に広く用いられている粒子・重イオン輸送計算コード"PHITS"に組み込んだ。実験データとの比較の結果、当コードは粒子輸送に関する種々の実験結果を精度よく再現することが判明し、工学利用に適用できることが実証された。 当該年度の成果は、日本原子力学会と国際会議ISORD-5にて発表した。当該年度は博士後期課程最終年度であるので、本研究の成果を学位論文にまとめた。本研究成果をもとに、平成21年度日本原子力学会・核データ部会賞(奨励賞)を受賞した。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)