Project/Area Number |
08J02750
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Gender
|
Research Institution | Ochanomizu University |
Principal Investigator |
長田 華子 お茶の水女子大学, 大学院・人間文化創成科学研究科, 特別研究員DC1
|
Project Period (FY) |
2008 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
Fiscal Year 2010: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
|
Keywords | バングラデシュ / 縫製産業 / グローバル金融危機 / 女性労働力 / 重層的世帯 / 技術移転 / ジェンダー / 低価格衣料 / 縫製労働者 / 世帯 |
Research Abstract |
本年度は、本研究の最終年度にあたり、これまでの研究成果を踏まえ、研究を遂行するとともに、3年間の研究のまとめとして研究成果の公表に努めた。前年度までの2年間は、2008年のグローバル金融危機以降のバングラデシュ縫製産業の実態を日系多国籍縫製企業の移転の側面から考察したマクロ動態分析、日系多国籍縫製企業のバングラデシュ工場における企業組織、生産、労働過程を扱うメゾレベル分析を行った。本年度は、このマクロ、メゾレベル分析を踏まえ、そこで働く現業女性労働者の重層的な世帯関係を問題にし、その内部のミクロ権力分析を試みた。2010年5月(5月12日~6月4日)に、バングラデシュを訪れ、(1)首都ダッカ近郊の日系多国籍縫製工場、(2)縫製女性労働者の同居世帯、(3)縫製女性労働者の出身県(農村部)の本人実家において、聞き取り調査及び参与観察を実施した。女性労働者本人からの聞き取り調査から、同居世帯、本人実家世帯、婚家先世帯の空間的距離の把握、各世帯の構成員、送金額を含めた送金頻度と帰省頻度を明らかにし、重層的な世帯関係とミクロ権力関係の考察を行った。メゾレベル分析としての工場内の生産ライン上の配置、熟練度と査定評価に基づいて、縫製女性労働者の重層的な世帯関係を考察した論文は、赤松良子ユース賞受賞論文として評価を受けた。また、受賞後も、日系多国籍縫製企業の中国からバングラデシュへの工場移転を、技術移転の側面から考察し、現時点のバングラデシュ工場における技能向上のための教育や技術評価に関する問題点を明らかにするとともに、その可能性を指摘し、バングラデシュ縫製産業および現業労働力である女性労働者の今後を展望した。これらの研究成果は、今後のアジア経済の動態とバングラデシュの工業化をジェンダー分析する上で、重要な示唆を有しており、ここに本研究の意義がある。
|