特異な空孔規則配列を伴うシリサイド半導体のナノ構造制御と熱電特性
Project/Area Number |
08J02839
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural/Functional materials
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
原田 俊太 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 熱電変換材料 / 遷移金属シリサイド / 走査電子顕微鏡 / 異方性 / 原子空孔 / ラトリング運動 / フォノン散乱 / シリサイド / 半導体 / 透過電子顕微鏡法 / 空孔規則配列 |
Research Abstract |
高温領域で非常に良好な熱電特性を示すReSi_<1.75>は正方晶系のCl1_b構造中のSi原子が規則的に欠損した特異な空孔規則を伴う超格子構造を有する.ReSi_<1.75>は一金属原子あたりの価電子数VECが14で安定な半導体であり,価電子数の異なる第三元素で置換を行うことによって結晶中に面欠陥が導入されSi空孔濃度および,配列を変化させることができる.本年度の研究ではその特異で複雑な結晶構造を球面収差補正のなされた最新型の電子顕微鏡を用いて,高角散乱環状型検出器走査透過電子顕微鏡法(HAADF・STEM法)および明視野走査透過電子顕微鏡法(BF-STEM法)と呼ばれる手法を用いて解析を行った. これまでの研究においてもHAADF-STEM法を用いてその原子位置を決定しようとした研究があったが,その空間分解能の不足のため原子空孔の位置を決定することは不可能であった.しかし,昨今の球面収差補正技術の進展に伴い走査型電子顕微鏡の分解能は飛躍的に向上した.最新の走査型電子顕微鏡を用いて観察を行った結果,原子空孔が存在することが明らかとなった.さらに,以上のような結晶構造解析の結果を用いてReSi_<1.75>の熱電変換特性の大きな異方性についても考察を行った.ReSi_<1.75>はそのバンド構造に起因して電気伝導に関して大きな異方性を有することが知られており,多くのバンド計算がなされているが,前述のように空孔規則配列を含む特異な結晶構造を有するReSi_<1.75>の結晶構造は我々が決定するまで明らかになっておらず,実際の結晶構造を正確に反映したバンド計算はなされていなかった.そこで決定した結晶構造パラメーターを用いてFP-LAPW法によるバンド計算を行った結果,実験結果と非常によく整合性のとれた解析を行うこと.に成功し,ReSi_<1.75>の熱電変換特性向上のための指針を得た.また,その知見をもとに第三元素置換による熱電変換特性向上に成功した.
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Report
(3 results)
Research Products
(16 results)