Project/Area Number |
08J03087
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Chemistry related to living body
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
平野 篤 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | タンパク質 / 凝集 / リポソーム |
Research Abstract |
生体内でのタンパク質の凝集は様々な疾患を引き起こすことで知られている。中でもアミロイドと呼ばれる凝集体が有する細胞毒性はアミロイド病という一連の疾患と関係することが明らかになっており、その機構解明が求められている。当初、アミロイドの細胞毒性はアミロイドの成熟型凝集体であるアミロイド線維に由来すると考えられていたが、近年ではアミロイドの細胞毒性が主にアミロイドの形成初期段階のオリゴマーに由来することが示されたため、アミロイドの物性研究の対象はアミロイド線維からオリゴマーに移ってきている。しかし、アミロイドの成熟型であるアミロイド線維が細胞毒性を有することも事実である。したがって、アミロイドの細胞毒性を解明するためには、オリゴマーの物性だけでなくアミロイド線維の物性の理解も必要である。現在、アミロイドの毒性の原因の一つとして挙げられているのがアミロイドと細胞膜の相互作用である。そこで、本年度の当該研究ではアミロイド線維と細胞膜の相互作用を理解するために、アミロイド線維と脂質二重膜の相互作用を調べた。アミロイドの観察には前年度までに報告したタンパク質凝集体観測系を利用した。アミロイド線維の各形成段階における脂質二重膜破壊能を調べたところ、アミロイドの線維伸長に伴って脂質二重膜の破壊量が増加することが明らかになった。さらに、脂質二重膜の破壊はアミロイド線維と脂質二重膜の不可逆な吸着に起因することが示された。タンパク質分子がアミロイド線維へ変化する過程で備わる高電荷密度・剛直性・疎水性がこのような脂質二重膜の吸着・破壊をもたらすことが示唆された。本結果はアミロイドの成熟型であるアミロイド線維と細胞膜の相互作用に関する基礎知見となる。今後、脂質二重膜との相互作用に関して、オリゴマーとアミロイド線維の差異を明らかにすることが、アミロイドの細胞毒性の理解につながると期待される。
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