Project/Area Number |
08J03110
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Bacteriology (including Mycology)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
半田 浩 The University of Tokyo, 医科学研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 病原細菌 / 細胞侵入 / 赤痢菌 / III型分泌装置 / エフェクター |
Research Abstract |
本研究では、代表的な宿主細胞侵入病原細菌である赤痢菌を用いて、病原菌の細胞侵入機構の解析を行った。赤痢菌が宿主細胞への侵入を果たすには、III型分泌装置とそれにより分泌されるエフェクターと呼ばれる蛋白質が必須である。腸管上皮細胞へと到達した赤痢菌はエフェクターにより低分子料G蛋白質Rhoファミリーに属し、アクチン骨格制御と細胞運動に深く関与しているRac1を活性化させ、アクチン骨格の再構築を誘導し腸管上皮細胞にラッフル膜を形成する。赤痢菌はラッフル膜を誘導、収束させることにより効率よく細胞内への侵入を果たす。今年度の研究において、赤痢菌が宿主細胞への侵入後、ラッフル膜収束を行うためにエフェクター蛋白質IpgB2とユビキチン-プロテアソーム系によるラッフル膜誘導エフェクターIpgB1の分解という二つの方法を用いていることを明らかとした。IpgB2の過剰発現細胞に赤痢菌を感染させると、侵入効率が減少した。またIpgB1によるRac1の活性化が抑制されたことからIpgB2はRac1の活性化を抑制することで、ラッフル膜の収束に関わっていることが示された。 一方、IpgB1がユビキチン-プロテアソーム系により分解されるかを検討するために、IpgB1発現細胞にプロテアソーム阻害剤であるMG132で処理を行ったところ、細胞内のIpgB1量が増加した。次に、IpgB1が宿主細胞内でユビキチン化されるのかを検討するために宿主細胞内にIpgB1とユビキチンを過剰発現させ免疫沈降法を行った結果、IpgB1のユビキチン化が観察されたことからIpgB1は宿主細胞へ分泌されラッフル膜の誘導を行った後に迅速に分解されることが判明された。 以上の結果から、赤痢菌は自ら誘導したラッフル膜を巧妙な方法を用いて収束させることが明らかとなった。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)