Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
1.in vitroで共培養した,骨組織表面に分布する骨表面細胞(bone surface cell : BSC)と,骨組織内部に分布する骨細胞に対し,力学刺激の付与に対するカルシウム応答の発生と細胞間伝播を経時観察した.得られた結果に対して,細胞種と骨系細胞間の情報伝達特性との関連を考察したうえで学術論文として投稿し,国際学術誌に受理・掲載された.本研究で観察された骨系細胞(骨表面細胞,骨細胞)間のカルシウム応答の伝播現象は,力学刺激を付与した細胞の種類によらず骨表面細胞に対して高い確率で発生しており,骨細胞から骨表面細胞に対して,すなわち,骨組織の内部から骨組織表面層に向かう一方向的な情報伝達経路の存在が示唆された. 2.力学刺激の付与により骨系細胞から産生される一酸化窒素(NO)について,カルシウム応答と同様に力学刺激の付与に対する濃度変化,および産生現象の細胞間伝播を観察した.力学刺激の付与に対するNO産生は,カルシウム応答の発生と比較して,応答発生までに時間差が観察された.このことは,骨系細胞に存在する一酸化窒素合成酵素のCa^<2+>依存性から,力学刺激の付与にともなうCa^<2+>依存性のNO産生経路が機能している可能性が示唆された.この骨系細胞における生化学応答の応答時間の違いは,前述1,の骨系細胞間の情報伝達特性とあわせて,骨組織中における骨系細胞の力学刺激感知,および細胞間伝達メカニズムに関する新たな知見を与えるものであると考える. 3.in vitro培養系を用いた研究成果に基づく,単一の単離骨細胞に対する局所的な力学刺激が引き起こすカルシウム応答特性に関する学術論文が,国際学術誌に受理・掲載された. 4.骨マトリクスに対する変形付与実験と,マトリクス内の単一骨細胞の変形状態と細胞応答を同時観察するex vivo実験系の確立をまとめた学術論文が,国際学術誌に受理・掲載された.
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