核内タンパク質の品質管理に寄与するユビキチンリガーゼの同定とその分子基盤の解析
Project/Area Number |
08J03250
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied biochemistry
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
松尾 祐児 Tottori University, 大学院・連合農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 分裂酵母 / 核内タンパク質の品質管理 / ユビチキン・プロテアソーム系 / Gap-repair cloning / ユビキチンリガーゼ / ユビキチン・プロテアソーム系 |
Research Abstract |
タンパク質の品質管理は細胞質内で機能することが一般的に知られているが、核内におけるタンパク質の品質管理の解明は大いに遅れているのが現状である。我々は昨年度の研究で分裂酵母においてこの核内におけるタンパク質品質管理機構の存在を証明し、かつ本機構に寄与するユビキチンリガーゼSan1を同定した。本年度の研究目的はこのユビキチンリガーゼSan1の選択的な基質認識の分子基盤を解析することであった。 まずSan1とモデル基質である核内変異タンパク質が物理的に相互作用しているかどうかを免疫沈降法にて検証したところ、弱いながらも有意なレベルで相互作用が確認された。次に、San1の選択的な基質認識の分子基盤を解析するためSan1タンパク質ならびにモデル基質それぞれのトランケートタンパク質を作製する必要があったが、発現プラスミド上の制限酵素の制約で作製が不可能であった。そこで分裂酵母の相同組み換え活性を利用して目的のDNA断片を制限酵素に依存せず自由にプラスミド上にクローニング可能なGap-repair cloningの条件検討を行い、論文にまとめた。今後は我々が最適化したこの方法を用いてドメイン解析を行い、モデル基質とユビキチンリガーゼの相互作用ドメインを同定したい。 核内タンパク質の品質管理機構は出芽酵母において初めて発見されたが、最近になってヒトの培養細胞において類似の機構の存在を強く示唆する研究結果が報告された。ヒトにおいては同機構の破綻は神経変性疾患の病因となること、分裂酵母はヒト遺伝子ライブラリーを利用したヒトの機能的オルソログ遺伝子の探索が可能であることを考えると、我々の研究で作製・開発したツールはヒトにおいて未解明である核内タンパク質の品質管理を解析する上での優れたモデル系となりうる可能性を秘めており、神経変性疾患の基盤研究として重要な知見を提供するものである。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)