Project/Area Number |
08J03259
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Social psychology
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾関 美喜 Nagoya University, 教育発達科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2008: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 迷惑行為 / 集団アイデンティティ / 成員性 / 誇り / 集団のまとまり / 組織コミットメント |
Research Abstract |
成員性の強い者は他の集団成員との関係性を重視するため、特にまとまりの強い集団の中で成員性の強い者は、「身内の恥を隠す」志向から、敢えて迷惑行為を問題視しない可能性がある。 迷惑行為が頻繁に生起している集団は、外部から問題のある集団とみなされる可能性があると考えれば、迷惑行為は所属集団の評価を下げる行為と考えることも可能である。所属集団の価値は誇りと直結すると考えられるため、所属集団の一員であることに対する誇りの高い者、所属集団の価値が高い集団の成員ほど迷惑を強く感じやすいだろう。 以上の議論から、集団のまとまり、成員性、誇りが迷惑度認知に及ぼす影響を検討した。この結果、集団活動に影響を及ぼす迷惑行為については成員性の強い者ほど迷惑を強く感じることが示された。集団内の人間関係に影響を及ぼす迷惑行為については、まとまりの強い集団の中では、誇りの差に起因する迷惑度認知の差はみられなかったが、まとまりの弱い集団では誇りの高い成員ほど迷惑を強く感じやすいことが示された。 本研究の結果は、集団のまとまりが強いと、迷惑行為の問題性を指摘するよりも、敢えて問題視しない方が今後も集団に留まり続ける上では適応的なため、結果的に成員の問題意識が全体的に低下する可能性を示唆している。こうした現象が、迷惑行為をはじめとした問題が集団内で常態化するメカニズムを説明できると考える。しかし、集団の一員であることへの誇りが、集団を良くしようと動機づける機能を持っていると考えられるため、所属集団の価値を上げ、その一員であることに誇りをもてる集団・組織を作ることが、問題行為の少ない集団づくりにつながるという好循環を生み出すことをも示唆している。 また、成員性と誇りはともに集団アイデンティティの下位概念でありながらもそれぞれ異なる機能を担う可能性が示唆されたため、成員性と誇りの差異を明らかにする研究も行った。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
尾関美喜
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Journal Title
「社会的迷惑の心理学」第7章 集団内における迷惑行為(吉田俊和・齋藤和志・北折充隆(編))(ナカニシヤ出版)
Pages: 107-120
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