新規[3+2+2]型環化付加反応を用いる生物活性化合物及び多環性化合物の合成
Project/Area Number |
08J03292
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research (2009) Tokyo University of Science (2008) |
Principal Investigator |
駒川 晋輔 The Institute of Physical and Chemical Research, 内山機能元素化学研究室, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ニッケル / 環化付加反応 / 触媒反応 / 多成分反応 / 理論計算 / 反応機構解析 / レチノイド / 共役エンイン |
Research Abstract |
ニッケル触媒を用いた電子欠乏性メチレンシクロプロパンとアルキンとの[3+2+2]型環化付加反応は,様々な置換基を有する7員環骨格を構築できる有用性の高い反応である。本反応は様々なアルキンを用いることが可能であり,共役エンインを基質として用いることでビニルシクロヘプタジェン誘導体を得た。また,3成分[3+2+2]型環化付加反応と続くDiels-Alder反応による4成分間反応により多環性7員環化合物を構築した。本反応は生物活性化合物や複雑な環構造を容易に構築できる点からその応用性が期待されるが,反応機構に関しては未開の部分があり,応用展開を行うに先立ちより詳細な議論が必要である。そこで,理論計算を用いた本反応の機構解析に着手した。まず,前駆体となる5員環メタラサイクルの安定性について計算を行ったところ,置換基の立体障害が反応の選択性に寄与していることが確認された。続いて,5員環メタラサイクルと電子欠乏性メチレンシクロプロパンとの反応について解析を行うと,二重結合への挿入を経由する経路と,3員環部の炭素-炭素σ結合の開裂を伴った経路の2通りが導かれた。それぞれの遷移状態を探索すると,後者の方がエネルギー的に有利な経路であることがわかった。この経路では,メチレンシクロプロパン上のカルボニル基がニッケルと相互作用し,活性化エネルギーの低下や位置選択的な反応の促進に貢献していることが示唆された。これらの結果は,電子欠乏性メチレンシクロプロパンが特異的な7員環形成反応に大きく関与していることを示しており,新たな触媒反応を開発する上での一つの手がかりとなる結果だといえる。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)