Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
日本は世界で二番目のヨウ素生産国であるが,ヨウ素を高濃度に含むかん水の形成過程は未解明の点が多い.一方,原子力関連施設から放出される放射性ヨウ素は,人体に重大な健康被害をもたらす可能性がある.そこで本研究では,表層土壌圏および地下岩石圏において,ヨウ素の供給・化学形態変化・移動機構および履歴を明らかにするため,[1]表層土壌として千葉県養老地域を,[2]深部地下環境として北海道幌延地域を対象として,ヨウ素の分布や化学形態の決定を行った. [1]表層水-土壌系でのヨウ素の固定化メカニズム解明:千葉県養老地域では,高ヨウ素濃度の温泉水を地下からくみ上げている.そこで,温泉水の排出口にできた水たまりの土壌及び間隙水中のヨウ素の固液分配と化学形態を決定した,その結果,有機ヨウ素の分配係数はI^-の分配係数よりも10倍以上高かった.ヨウ素は有機化することで土壌へ固定されやすく,有機化は表層で起こりやすいことを示した.[2]地下岩石圏のヨウ素固定化能の評価と高ヨウ素濃度のかん水の成因:日本原子力研究開発機構幌延深地層研究センターで掘削されたボーリング孔から採取された地下水および岩石を用いて,地下水および岩石中のヨウ素の分布,化学形態,ヨウ素同位体比(^<129>I/^<127>I)の測定を行った.その結果,幌延におけるヨウ素の変遷から,堆積-沈降-圧密を繰り返すことで,地下に高ヨウ素濃度の地下水が形成し,ヨウ素鉱床となりうることを示した.また,幌延地域の堆積岩のヨウ素の見かけの分配係数(L/kg)はそれぞれ0.4-2.0,0.1-0.3であり,現在放射性廃棄物の安全性評価で用いられている花崗岩の収着定数よりは高い値となった.そのため,放射性ヨウ素に対する天然バリアの性能は堆積岩の方が優れているといえる.
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