近代政治理論における政治主体の生成―ジョン・ロックの「人民-主権」論の射程
Project/Area Number |
08J03424
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
鵜飼 健史 Hitotsubashi University, 大学院・社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2008: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | ジョン・ロック / 人民 / 政治主体 / 近代社会 / 主権 / 抵抗権 / マルチチュード / 政治理論 / 人民主権 / 権威 / ユートピア / 国家 / ウィリアム・ユノリー |
Research Abstract |
私の研究課題は、ジョン・ロックが構成した人民主権論の分析である。ロックは人民主権を理論化したのみならず、人間(人民)と権力(主権)をそれぞれ論じ、両者の不可避的な接続関係を明確化し、これによって近代世界に比類のない影響を与えたといえる。本研究はこの近代社会の基本的政治構造の言説分析を行い、現代社会を分析するための視座を提供することを目的とする。以下、本論文が明らかにした点を述べたい。 1主権論の歴史にロックを位置づけたこと ロックの歴史的な課題は、「人民が権力を持つ」という意味での人民主権原理の発明ではなかった。ロックにとって、問題は、個人を政治主体へと転換することであり、かれらの政治体制を正統化することである。この人民統治の原理の理論化にこそ、ロックの思想史における重要性を指摘することができる。 2ロックの果たした理論的な功績を明らかにしたこと ロックの課題は政治主体としての「人民」の生成にあった。そして政治はその人民に適合したものへと組み替えられる。普遍的な人間の能力に合致した政治を論ずることが、『統治二論』の中心的な課題であった。ユートピア「アトランティス」に、こうした人民の自己統治の形態として読まれなければならない。 3人民主権論の優越性を論及したこと 個人の存在とその同意の体系を破壊する政治権力の暴発に対する人民の抵抗権は、コモンウェルスの自浄作用としての人民概念の再定位として機能する。政治主体としての人民の同一性を、抵抗権によって、永遠に更新し続けるのである。抵抗権は、(革命として)専制と(反革命として)マルチチュードの双方に対抗する。こうして、人民主権論は永久に続く政治原理として理論化された。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)