アリール配位子をもつサレン錯体を触媒とするシス選択的不斉シクロプロパン化の研究
Project/Area Number |
08J03436
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
末松 英浩 Kyushu University, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | イリジウム / C-H結合活性化 / C-H挿入反応 / サレン / 不斉触媒 / ジアゾ化合物 / カルベノイド / 不斉カルベン移動反応 / シクロプロパン / ジアゾエステル / リゾフォスファチジン酸 / コープ転位 / スピロシクロプロパン |
Research Abstract |
最近、筆者らはイリジウムサレン錯体がtert-ブチルジアゾアセタートをカルベン源とする不斉シクロプロパン化反応で、従来法では得られない高シス、高エナンチオ選択性を示すことを見出し報告した。また、ビニルジアゾラクトンをカルベン源に用いると、トランスシクロプロパンが高エナンチオ選択的に得られることもわかった。これらの実験結果は使用するジアゾ化合物の種類によって金属カルベノイドのコンフォメーションが異なる可能性があることを示唆している。また、これらの反応は-78℃の低温下で円滑に進行することからイリジウム錯体の反応性は極めて高く、二重結合へのカルベン移動反応だけでなく、σ結合へのカルベン挿入も触媒するものと期待された。そこで今回、炭素-水素結合へのカルベン挿入反応を検討した。炭素-水素結合の直接かつ立体選択的な官能基化は重要な課題であり、特にC-H結合に直接的にアセタート基を導入する不斉カルベン挿入反応が注目されている。既にロジウム二核錯体を触媒に用いて、Muller、Doyle、橋本、Daviesらによって高エナンチオ選択的な分子内反応が、またDaviesらによって分子間反応が報告されている。しかしながら、これらの反応では天然物合成に有用なα-ジアゾプロピオナートなどのα-アルキル-α-ジアゾエステルの利用が困難であった。そこで私は、様々なイリジウムサレン錯体を合成し反応を検討し、α-アリール-α-ジアゾエステルのみならずα-ジアゾプロピオナートを用いる高ジアステレオおよび高エナンチオ選択的分子間C-H挿入反応を初めて達成した。また、従来法では困難であったメチル基へのC-H挿入反応も、α-(o-methoxyphenyl)-α-diazo acetateの環化反応などで円滑にかつ高エナンチオ選択的に行えることを明らかにした。本研究では、所期の目的をほぼ達成することができた。
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Report
(2 results)
Research Products
(9 results)