19世紀オスマン帝国社会の変容と非ムスリム臣民-アルメニア総主教座を中心に
Project/Area Number |
08J03443
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Area studies
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
上野 雅由樹 The University of Tokyo, 東洋文化研究所, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 近代史 / オスマン帝国 / トルコ:アルメニア / 総主教座 / 非ムスリム |
Research Abstract |
本研究の目的は、オスマン帝国が近代国家へと変容する19世紀中葉において、その宗教的少数者の社会にどのような変化が見られたのかを明らかにすることである。そのために1840年代から1870年代までのアルメニア共同体を例にとり、その中心にあったと目されるイスタンブル総主教座の役割を検討した。本年度は、これまでに収集した史料として、19世紀にイスタンブルで刊行されたアルメニア語とアルメニア文字のトルコ語の新聞、イスタンブル総主教座内に設置された共同体議会の議事録を読み込んだ。そしてこれらの史料に基づき、定期刊行物の増大と共同体秩序を支える総主教座の関係、共同体の紐帯を維持する上での教育の役割、またアルメニア人の間での中央(総主教座)と地方の関係を分析した。その結果、国家レベルで統合様式が変化したのと並行して、アルメニア共同体においては、総主教座が共同体の中心として凝集力を高めていたこと、その過程でオスマン帝国政府の総主教座に対する統制はむしろ強化されたことが明らかとなった。これらの点は、非ムスリムを含めたオスマン帝国像を描く上で、重要な意義を持つと考えられる。これに加えて本年度は、オスマン帝国が宗教的少数者である非ムスリム(非イスラーム教徒)を支配する枠組みに関して、研究者の理解に混乱が見られるという現状に鑑み、これまでの研究動向を体系的にまとめ、学術雑誌に投稿した。また上記の中央と地方の関係については、2010年7月にバルセロナで開催される世界中東学会に向けて、「改革の要求:イスタンブルのアルメニア人から見た東部アナトリア、1870年から1877年」という題目で発表内容を取りまとめた。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)