細胞内ミクロ環境を制御するタンパク質機能解析のための蛍光イメージング法
Project/Area Number |
08J03557
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Analytical chemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
瀬戸 大輔 Kyushu University, 工学研究院, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 蛍光プローブ / 蛍光検出・イメージング / ヒスタミン / calcein / Nile Red / 配位子置換反応 / ペプチドタグ / タンパク質標識 / レシオ計測 / 細胞内導入 |
Research Abstract |
本研究は、細胞内タンパク質の挙動やその周辺環境を可視化するための蛍光検出・イメージング法の開発を目的としており、これまでにタンパク質の局在とその周りのpH変化のレシオ計測を指向した新規なタンパク質蛍光標識方法の構築に成功している。本年度は、この研究より得られた知見をもとに、細胞内外における様々な現象のモニタリング、生理活性物質の検出・イメージングを可能とする蛍光計測法の開発を試みた。 本研究において、ヒスチジンタグを用いるタンパク質標識法を研究するにあたり、イミノ二酢酸(IDA)-Ni^<2+>錯体と、イミダゾール基とアミノ基とを近接した位置に有する化合物とが選択的に配位子置換反応することを見出した。そして、この現象を利用することで細胞内外におけるヒスタミン類縁体を特異的に検出できる手法を開発できると考え、新規蛍光プローブcalcein-Ni^<2+> complexとNile Red-Ni^<2+> complexを合成した。これらの蛍光プローブは蛍光色素であるフルオレセインまたはNile RedにIDA-Ni^<2+>錯体を付加した構造体である。以上のプローブは、ともにヒスタミンに対して高選択性であり、さらにヒスタミンの添加量に応じて蛍光強度が定量的に増大するといった特性を有していた。この蛍光変化はNi^<2+>イオンの消光作用に起因する。さらにcalcein-Ni^<2+> complexは、炎症刺激によって細胞から放出されるヒスタミンの経時変化を捉えることが可能であり、また、Nile Red-Ni^<2+> complexは、細胞に直接添加するだけで細胞内へと導入され、細胞内ヒスタミンを可視化することが可能であった。以上のことから、生理活性分子の簡便な蛍光検出・イメージングのための一手法として、配位子置換反応を利用する蛍光プローブが有効であることが示唆された。以上、本研究で開発された新規蛍光プローブ群は、未知の細胞内現象の解明や生命科学の准展に資するものと期待される。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)