酸化的脱アミノ化ヌクレオチドによる細胞障害とその防御機構の解明
Project/Area Number |
08J03650
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Molecular biology
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
猪山 輝昭 Kyushu University, 生体防御医学研究所, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 酸化ストレス / 脱アミノ化ヌクレオチド / ゲノム不安定性 / ヌクレオチドプール / 損傷ヌクレオチド分解酵素 / イノシン |
Research Abstract |
ヌクレオチドは様々な生物学的反応において機能しているが、ヌクレオチドはさまざまな化学修飾を受けうる。このような修飾ヌクレオチドはヌクレオチドプールから取り除かれなければ、細胞に対して毒性を示す可能性がある。本研究は、酸化損傷ヌクレオチドであるITPとXTPにより機能阻害をきたす標的タンパク質ならびに新規損傷ヌクレオチド分解酵素の同定を目的としている。初年度(平成20年度)ではITP/XTP結合特性を持つタンパクを修飾ヌクレオチド結合タンパク質に対するスクリーニングを行い、イノシン三リン酸(ITP)、キサトシン三リン酸(XTP)、グアノシン三リン酸(GTP)結合タンパク質として、ヒトnucleoside diphosphate linked moiety X-type motif 16(NUDT16)タンパク質を同定した。2年目(平成21年度)ではNUDT16の生化学的特性を理解し、さらにin vitroレベル及び細胞・組織レベルでの解析を進めることで、目的タンパクの生物学的機能を明らかにすることとした。 組み換えNUDT16タンパク質は検討した29のヌクレオチドの中から主にプリンヌクレオシド二リン酸または三リン酸をそのヌクレオシド一リン酸に加水分解した。さらに分解効率のよい基質について、反応速度パラメーター(K_m,K_<cat>)を算出し、NUDT16がIDP、dIDPを最もよい基質としていると考えられる。その上、NUDT16は(デオキシ)イノシン三リン酸([d]ITP)を中程度に加水分解した。NUDT16は大部分が核内、特に核小体内に局在していた。HeLa MR細胞でのNUDT16のノックダウンにより、S期での細胞周期遅延、細胞増殖の低下、核DNAの一本鎖切断の蓄積の増加、並びにRNA中のイノシンレベルの増加が引き起こされた。以上より、NUDT16が(デオキシ)イノシン二リン酸分解酵素であり、(d)ITPの悪影響から細胞を守るために主に核内で機能しうると結論した。
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Report
(2 results)
Research Products
(6 results)