孤立単層カーボンナノチューブの光デバイス応用に向けた形態制御直接合成と光物性解明
Project/Area Number |
08J03712
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Nanostructural science
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宮内 雄平 京都大学, エネルギー理工学研究所, 特別研究員(SPD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥9,000,000 (Direct Cost: ¥9,000,000)
Fiscal Year 2010: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2008: ¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 励起子 / 発光 / 光物性 / 量子効率 / フォトルミネッセンス / 輻射寿命 / 発光寿命 |
Research Abstract |
本年はまず、クリーンかつ構造の制御された単一架橋単層カーボンナノチューブを用いた電界効果トランシスタ構造を安定的に作製する技術を確立した。本デバイスはナノチューブの両端にソース電極とドレイン電極を備え、基板のスリット内側がサイドゲートとして働く。本デバイスの実現により、ナノチューブのフェルミレベルを電界効果により直接制御すると同時に、レイリー散乱分光及びラマン散乱分光を行うことが可能となった。ゲート効率については、金属ナノチューブのラマン散乱スペクトルにおけるGモードの線幅がフェルミレベルに応じて変化する性質を利用して見積もる手法を確立した。上記の手法により作製した単一ナノチューブデバイスを用いて、レイリー散乱スペクトルのゲート電圧依存性を調べたところ、ゲート電圧を印加するとともに、金属ナノチューブ、半導体ナノチューブそれぞれについて励起子エネルギーのシフト及び線幅の増加が観測された。線幅の増加はキャリア密度の増加にほぼ比例しており、励起子と注入されたキャリアとの散乱による励起子寿命や位相緩和時間の短縮によるものと考えられる。励起子エネルギーのシフトについては、励起子の結合エネルギーと電子・電子反発エネルギーが共に変化したことに起因すると考えられる。特に半導体ナノチューブについては、金属ナノチューブよりも小さなゲート電圧でも大きなレイリー散乱スペクトル変化が観測され、レイリー散乱強度についても大幅な変調(最大約80%程度のレイリー散乱光強度減少)が可能であることが明らかになった。上記のように、キャリア注入により単一ナノチューブデバイスの光学特性の大幅な変調が可能であることが明らかになったことは、今後のナノチューブの光応用にとって非常に重要な意義を持つと考えられる。
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Report
(3 results)
Research Products
(22 results)