Project/Area Number |
08J03886
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied veterinary science
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
大森 澄枝 日本大学, 獣医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 鳥類血液原虫 / ミトコンドリアゲノム / アピコプラストゲノム / 定量PCR(Real-time PCR) / 原虫診断 / ゲノム解析 / 分子疫学 / フローサイトメトリー / ガメトサイト |
Research Abstract |
ヒトマラリア原虫のアピコプラストゲノムは、熱帯熱マラリア(P.falciparum)など3種において、その全塩基配列が明らかになったが、鳥類血液原虫のアピコプラストゲノムを含む核外ゲノムは部分的な情報しか得られていない。そこで、本年度も昨年度に引き続き、本ゲノムの解析を行った。 現在は鳥類血液原虫3種(Plasmodium gallinaceum, P. juxtanucleareおよびLeucocytozoon caulleryi)に関して、アピコプラストゲノムの塩基配列の約3~30Kbpの解析を終了した。 また、鳥類血液寄生原虫を対象に2例ほど報告がある定量PCR法による原虫診断について、上記のゲノム解析を含めて得られたゲノム情報を利用し、3つのゲノムの各遺伝子を標的として検討を行った。 結果、3つのゲノム(核、ミトコンドリアおよびアピコプラスト)上の遺伝子のいずれにおいても、従来のPCR法よりも感度が100倍以上高いことが明らかとなった。さらに、原虫特異的な細胞小器官であるアピコプラストの遺伝子を標的とした際にもっとも特異性が高いにとが示唆された。したがって、鳥類血液原虫の分子生物学的検出における標的配列としてミトコンドリアゲノムのcytb遺伝子が現在もっとも頻繁に利用されているが、原虫特異的なゲノムであるアピコプラスト上の遺伝子を標的とすることで、より検出能力の高いPCRによる検出系を構築できる可能性があるということがわかった。 以上より、いまだ十分に把握されていない我が国における鳥類血液原虫の分布状況や原虫保有鳥種、ベクターとなる節足動物種を明らかにするための原虫検出法の開発に寄与する基礎情報が得られたと思われる。今後は、より最適な原虫特異的配列を増幅するプライマーセットの設計を考慮し、PCR系を改良して野外サンプルの検出に応用することが望まれる。
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