雌の多回交尾とそれに伴う交配後の性選択による進化-マメゾウムシ類を用いた実証研究
Project/Area Number |
08J03976
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
原野 智広 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 性選択 / 人為選択 / 多回交尾 / 遺伝相関 / 性的対立 / 性的二型 / 体内時計 / 発育時間 / 近親交配 / 近交弱勢 / 遺伝的変異 / メスの多回交尾 / マメゾウムシ |
Research Abstract |
1.性的二型と遺伝子座内性的対立 交配相手の獲得に貢献する形質は、オスが持つと適応的であるが、メスが持つと非適応的である。そのようなオスの形質の進化は、メスの適応進化を妨げるために、遺伝子座内性的対立を生じさせる可能性がある。従来、この対立は形質の性的二型の進化によって解消されると考えられてきた。しかし、甲虫のオスの形質において実験的な進化を起こすことによって、従来の考え方が誤っており、性的二型が進化していても遺伝子座内性的対立は存在するということを明らかにした。 2.メスの多回交尾と性的対立に対する抵抗の進化の解明 飼育下のアズキゾウムシにおいて、一方では多回交尾したメスを選択して繁殖させ、もう一方では多回交尾しなかったメスを選択して繁殖させることをくり返し、多回交尾を受け入れる、あるいは多回交尾を拒否するというメスの行動を実験的に進化させた。メスは交尾拒否行動を進化させることによって、オスからもたらされるコストを軽減できる可能性があるので、この可能性を検証した。 3。活動を制御する体内時計と発育時間を支配する時計との関係 交尾行動を含む生物のさまざまな活動は、体内時計によって制御されている。アズキゾウムシの体内時計の周期に遺伝的変異が存在することを発見し、この周期が常染色体上に位置し、相加的効果を持つメジャージーンによって支配されていることを明らかにした。また、体内時計は、発育のような時間の経過に伴って進行する現象にも関与することがある。しかし、アズキゾウムシでは活動時間を支配する体内時計と発育のタイミングを関与する時計とは、独立に作動していることを明らかにした。
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Report
(3 results)
Research Products
(24 results)