線条体におけるドーパミンD2受容体依存的シナプス長期抑制機構の解明
Project/Area Number |
08J04030
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Neuroscience in general
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
内ヶ島 基政 北海道大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 線条体 / ドーパミン / シナプス可塑性 / 直接路 / 間接路 / 遺伝子改変動物 |
Research Abstract |
線条体は随意運動の調節や認知機能に重要な神経核であり、中脳からのドーパミン作動性投射による強力な制御を受けている。その中でも、皮質線条体路シナプスで認められるドーパミンD2受容体依存的長期抑圧は、線条体の機能発現に重要と考えられているが、その分子形態学的基盤および生理機能について不明点が多い。 本年度は、間接路中型有棘ニューロンに発現するD2受容体と、ドーパミン作動性軸索との空間的位置関係を明らかにするため、免疫組織化学的手法を用いた解析を主に行った。間接路中型ニューロンにおけるD2受容体は、ポストシナプス側となる細胞要素にほぼ選択的に分布し、とりわけ樹状突起で最も豊富な分布を示したが、スパインとシナプスを作る大脳皮質由来のグルタミン酸作動性終末ではほとんど観察されなかった。一方、ドーパミン作動性軸索は、線条体内においてシナプス構造の形成を認めた。D2受容体を発現する中型有棘ニューロンともシナプス構造を高頻度に形成していたが、そのポストシナプス側となる細胞膜上にはD2受容体が集積するような傾向は認められなかった。 これらの分子形態基盤は、シナプス部に受容体が集積するグルタミン酸あるいはGABA作動性シナプスとは異なっており、ドーパミン伝達がシナプス非選択的なボリューム伝達の様式をもって行われていることを示している。さらに、D2受容体を介した長期抑圧現象に対しても、ドーパミンはシナプス非選択的な制御を行っていると予想される。
|
Report
(3 results)
Research Products
(23 results)