土壌凍結地帯における土壌中での亜酸化窒素生成動態の観測とその制御要因の解明
Project/Area Number |
08J04158
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Boundary agriculture
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
柳井 洋介 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 北海道農業研究センター・寒地温暖化研究チーム, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | 亜酸化窒素 / 土壌凍結 / 寒冷地 / シリコンチューブ / 微気象 / 土壌ガス / 温室効果ガス / 脱窒 / 寒冷地農業 / シリコンチューブ法 / 微気象観測 / 土壌ガス濃度 / ガス透過性膜 / クローズドチャンバー法 / 省耕起栽培 / 自動連続観測 / 微小嫌気部位 / ガルバニ電池式酸素センサー |
Research Abstract |
観測初年目に年最大土壌凍結深と土壌からの亜酸化窒素放出量との間に正の相関関係が見られたことを受けて,本年度は土壌凍結をより発達させるよう除雪処理を徹底し,前年度に引き続き温室効果ガスの地表面放出速度の計測と合わせて土壌ガス濃度のモニタリングを行った.2010年の最大土壌凍結深は対照区では5cmほどであったのに対し除雪区では50cmにも及んだ.すなわち,積雪による断熱効果さえなければ,気温が十分に低いために土壌凍結は十分発達することが改めて確認された.除雪区での年最大土壌凍結深は2009年よりも大きかったことから2010年はより亜酸化窒素放出量が大きくなることが見込んでいたが,土壌ガス中亜酸化窒素濃度は2009年と違って表層10cmで濃度上昇がみられたにすぎず20,30,40cm深では大きな変化が見られず,土壌ガス中酸素濃度の低下はごくわずかかつ短期間に見られた程度で,地表面放出速度の最大値は2009年は1500ugNm^<-2>h^<-1>程であったのに対して2010年は100ugNm^<-2>h^<-1>程とケタ違いに小さなものであった.その要因として,2010年は除雪の結果としてほぼ無雪の状態で融解期を迎えたために地温が低く,微生物活性が高まらなかったためと単純に考えられた。しかし,これに加えて,凍結した表層土壌の相対ガス拡散係数が2009年より2010年は一ケタ高かったことが鉛直一次元におけるガス拡散の解析から明らかになったことから,土壌中でたとえ酸素の消費が起きたとしても大気から土壌への供給が10倍のオーダーで2010年は2009年より高かったことが硝酸呼吸を誘導するような酸素濃度低下状態に至らせなかった原因であると考えられた.
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Report
(3 results)
Research Products
(29 results)