Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
火星や氷衛星に見られる流動地形の形成過程やテクトニクス,そして熱進化過程における氷衛星の形状変化や密度進化を考えるためには,氷・シリカ混合物のレオロジーを知ることが非常に重要となる.本年度は,昨年度に引き続き,流動則(ε=A_0exp(-Q/RT)・σ^n:εは歪速度、σは応力、Qは活性化エネルギー,Rは気体定数,Tは絶対温度,A_0とnは定数)を調べるための変形実験を行った. 昨年度調べた氷・シリカ混合物の流動則に対する残存空隙率依存性を,実験条件であるシリカ含有率と温度範囲をさらに広げて調べた.その結果,上記の流動則にシリカ含有率および空隙率依存性を組み込んだ新たな流動則,ε=Bexp(-Q/RT)・[σ/(1-φ)^k]^n(φは空隙率,Bとkは定数でQとnと共にシリカ含有率のみに依存し,シリカ含有率の増加とともに大きくなる)を導くことに成功した.そしていびつな形状から球形へと氷衛星の形状が変化する条件を推定するために1次元熱進化数値モデルを構築した.これは熱伝導による熱輸送過程を組み込んだモデルで,実験で得られた流動則と氷・シリカ混合物の音速測定実験により得られた弾性率を組み込み,岩石含有率や残存空隙率が氷衛星の形状変化条件にどのように影響を及ぼすかについて考察した.その結果,岩石含有率が大きいほど,さらに残存空隙率が大きいほど,氷衛星の形状が起こる氷衛星半径が小さくなることがわかった. また,昨年度行った圧子圧入実験を冷凍庫内で数日間かけて行い,昨年度よりもさらに低歪速度である10^<-7>s^<-1>台まで得ることに成功した.また,与える荷重を3種類変化させても,同じシリカ含有率の試料を用いれば結果はほぼ一致した.そして,変形実験で得られた流動則と圧子圧入実験で得られた流動則を比較したところ,整合的であることを確認した.
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