シラノルボルナジエン化合物の特異な反応性を利用したケイ素活性種の合成と反応
Project/Area Number |
08J04481
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Organic chemistry
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
沖本 真広 Hiroshima University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 官能性シラノルボルナジエン / 官能性シリレン / 熱分解反応 / 官能性ケイ素アニオン / 求核剤 |
Research Abstract |
本年度は既に合成した官能性シラノルボルナジエン化合物について,その反応性を利用したケイ素活性種の合成をおこなう目的で以下の通り実施した。 1.ケイ素原子上に水素原子,塩素原子,フェニルアミノ基,フェニルチオ基,およびトリメチルシリル基を有するシラノルボルナジエンについて熱分解反応をおこない,官能性シリレンの生成を検討した。大過剰のトリエチルシラン存在下で熱分解をおこなうと,すべての置換体について対応するシリレンの生成を捕捉実験により確認することができた。同時に脱離生成物であるテトラフェニルナフタレンを得た。 2.官能性シラノルボルナジエンと求核剤との反応によるsp^3型ケイ素アニオン種の生成について検討をおこなった。水素置換体に対して1当量のメチルリチウムを反応させると,(メシチルメチルシリル)リチウムがテトラフェニルナフタレンとともに生成した。このシリルリチウムの生成はクロロトリメチルシランによる捕捉実験から確認した。塩素置換体について2当量のメチルリチウムおよび(トリメチルスクシニル)リチウムを作用させると,1,2-ジメシチル-1,1,2,2-テトラメチルジシランおよびメシチルトリス(トリメチルスクシニル)シランがそれぞれ生成した。これらの化学種が生成したことは,塩素置換体と求核剤との反応において,系中で(ジメチルメシチルシリル)リチウムおよび(ジスタンニルメシチルシリル)リチウムがそれぞれ生成していることを示している。 以上,申請者は,ケイ素原子上に水素原子,塩素原子,アミノ基,チオ基,およびシリル基を有するシラノルボルナジエンの熱分解から対応するシリレンの生成に成功した。水素および塩素置換体では求核剤との反応によりケイ素アニオン種を発生させることができた。これらにより,官能性シラノルボルナジエンが官能性ケイ素活性種の優れた前駆体となりうることを明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
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