HREELSとSTMによる金属ナノクラスターの制御と電子励起状態の研究
Project/Area Number |
08J04492
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Mathematical physics/Fundamental condensed matter physics
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 大樹 Tohoku University, 大学院・理学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | クラスター / 走査トンネル顕微鏡 / 高分解能電子エネルギー損失分光法 |
Research Abstract |
申請者は化学処理により作製した水素終端シリコン(111)表面基板の高品位化と基板上金属ナノクラスターの成長制御とその電子励起状態を明らかにするべく研究を行ってきた。 本年度はまず、これまでに明らかにしてきたSi(111)表面の終端法とそれにより得られる表面の物性についてレビュー論文として発表した(雑誌論文1)。その後、この基板表面の特性の中でも酸化過程を明らかにした。完全に汚染の無い表面を初めて得て、これを利用する事で初めて精度の高い知見を得 た。これを学会に発表した(学会発表1)。これによると酸素は選択的なサイトに優先的に酸化されることを初めて明らかにした。これまでのSi(111)水素終端法の知見を基にしてSi(110)表面の化学処理による水素終端法に取り組み、その振動状態を初めて明らかにした。化学処理による結果得られた水素終端面はSi(111)程の高品位さを示さないが、振動状態の研究をする上では十分であった。この表面の振動状態を測定したところ、分子振動に特異な分散が見られ、振動状態に影響する水素-水素原子間の相互作用の存在が初めて観測された(学会発表2)。 これまでに確立した水素終端Si(111)基板を利用した銀ナノクラスターの電子励起状態とその結晶構造を次に調べた。低速電子線回折により結晶の周期性を観測したところ、これまでに無い結晶成長の様式が認められた。銀ナノクラスターは直径5nm程度に成長するが、その回折線から、下地のシリコンと等しい面内方位にAg(111)の回折スポットを強く示しておりエピタキシャルな成長様式が認められた。さらに詳しく観測することで、Si(111)スポットから左右に11°程度ずれた位置にサブスポットが存在することを見出した。このような成長様式はこれまでに観測されていない。また、新たな励起状態を電子エネルギー損失分光により見出した。 上記の内容を現在論文にまとめ発表する準備を行っている状況である。
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Report
(2 results)
Research Products
(8 results)