ミトコンドリア・ダイナミクスの制御による雄性不稔植物作出技術の開発
Project/Area Number |
08J04574
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Breeding science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山岡 尚平 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2010: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ミトコンドリア / 花粉 / 胚発生 / 配偶子形成 / 雄性不稔 |
Research Abstract |
本研究では、Miroによるミトコンドリア・ダイナミクス制御の分子機構と、植物の発生における役割を明らかにすることで、その分子機構を利用した雄性不稔性操作の技術開発を試みることを目的とする。 本年度の成果として、1)昨年度までに作出した卵細胞および初期胚細胞のミトコンドリアをGFPにより可視化した形質転換植物について、二光子レーザー顕微鏡による解析を行った。その結果、miro1変異株の卵細胞・初期胚細胞ではミトコンドリアの異常な肥大化が生じていた。このとき卵細胞の形成、接合子の細胞伸張と不等分裂はほぼ正常であったが、生じた二細胞期胚の頂端細胞におけるミトコンドリアの個数が著しく減少していた。これによりその後の細胞分裂が抑制され、胚発生が極めて初期に停止することが示唆された。本研究は卵細胞および初期胚のミトコンドリア・ダイナミクスに寄与する分子を明らかにした最初の例である。2)MIRO1の作用機序解明のため、MIRO1に2つあるGTPaseドメインの機能解析を行った。ドメインのセリン残基をアスパラギン残基に置換し、得られた変異型MIRO1をタバコ葉肉細胞において過剰発現させ、ミトコンドリアの形態・細胞内分布に対する活性を野生型タンパク質(WT)と比較した。その結果、町はミトコンドリアを強く凝集させたのに対し、S443Nでは凝集の頻度が減少し、S31Nでは野生型ミトコンドリアの数が増え、S31NS443Nではほぼ凝集が見られなくなった。このことから、i)MIRO1はGTPaseドメインの活性によりミトコンドリアの細胞内分布を制御している、ii)2つのGTPaseドメインは機能的に異なっており、N末端側が主にミトコンドリアを凝集させる方向に働く、ということが明らかとなった。今後このミトコンドリア凝集の生じる過程を解析することで,MIRO1の作用機序が明らかになると期待される。
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Report
(3 results)
Research Products
(8 results)