Project/Area Number |
08J04657
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Biomedical engineering/Biological material science
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
戸井田 さやか 東京医科歯科大学, 大学院・生命情報科学教育部, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2008 – 2010
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
|
Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | ドラッグデリバリーシステム / 核酸キャリア / 高分子キャリア / 多糖 / サイクロアミロース / 遺伝子キャリア |
Research Abstract |
本研究は大環状多糖であるサイクロアミロース(CA)を基盤とした新規ドラッグキャリアの開発を目的とする。CAは生分解性の多糖であることや、水溶液中においてらせん構造を形成し、環状内部への物質包接能を有する特性より、バイオマテリアルとしての応用と高機能化が期待できる。本研究ではこれまでに、核酸のデリバリーシステムの構築を行ってきた。核酸や細胞と相互作用し得るようにCAにカチオン性基を修飾した(catCA)、およびcatCAに疎水基を部分的に導入したナノゲルがsiRNAおよびpDNAデリバリーキャリアとしての有用であることを報告した。しかしながら核酸の機能発現効率には課題があった。そこで本年度は、複合体のエンドソームから細胞質への移行促進機能の付与、すなわち、リン脂質分解酵素(ホスホリパーゼA_2,PLA_2を使用)と機能化CAを複合化させた新規ナノキャリアを設計し、機能化CAとPLA_2との複合化による遺伝子発現効率への効果について検討した。疎水基としてヘキサデシル基を導入したカチオン性CAナノゲル(C16-catCAナノゲル)はPLA_2と複合化し30-40nmの複合体ナノ粒子を形成した。これをpDNA(5.2kbp,ルシフェラーゼをコード)と混合し調製した複合体をサル腎臓細胞(COS7)にトランスフェクションした。その結果、PLA_2を複合化させた場合、PLA_2の複合化濃度上昇に伴い導入したpDNAの遺伝子発現効率が上昇した。一方、疎水基を導入していないcatCAとPLA_2との複合体についてはPLA_2添加による遺伝子発現に違いはなかった。またC16-catCAナノゲルと複合化したPLA_2は赤血球の溶血活性を維持していることを確認した。PLA_2の酵素反応により膜が一部破壊されることでpDNAのエンドソーム脱出が促進し、その結果遺伝子発現効率が上昇することが示唆された。キャリアと生体高分子(pDNAとPLA_2)を化学結合によらず分子間力を利用したシンプルな複合化法により細胞内へ同時にデリバリーし、かつpDNAの遺伝子発現効率が向上する新たな核酸キャリアが開発できた。
|
Report
(3 results)
Research Products
(25 results)