Project/Area Number |
08J04858
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Virology
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大石 真久 Osaka University, 医学系研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | ヒト免疫不全ウイルス / HIV / レトロウイルス / レンチウイルス / 構造解析 / 結晶化 / DLS / ゲノムRNA二量体化 |
Research Abstract |
HIV-1の二量体結合シグナル(DLS)の構造解析を行うために、その必要十分領域である144塩基をin vitro転写反応にて大量合成した。合成したDLSを電気泳動により分離・精製した。精製されたDLSをゲルろ過クロマトグラフィーより脱塩処理した。一方、DLS単独のみならず、核酸とタンパク質の相互作用を利用した共結晶化の検討を行うために、His-Tagを付加したHIV-1のヌクレオキャプシドタンパク質(NC)を大腸菌にて発現後、アフィニティ及び陽イオン交換クロマトグラフィーにより精製した。市販のキットを組み合わせた576種類の結晶化緩衝液の条件にNCの有無の条件を組み合わせた計1,152条件下で検討を行った。しかしながら、以上の条件下では結晶が形成されないことが明らかになったため、今後は結晶化に向けたDLS側の最適化が必要と考えられた。 HIV-1のゲノムRNA二量体形成の時期を明らかにするため、構造タンパク質Gag前駆体(Pr55)のプロテアーゼによる切断の段階を酵素反応速度論に即して模倣する変異体を作成した。各連続変異体のノザン解析の結果、Pr55の最初の切断が起こるときにゲノムRNA二量体の形成が起こることが考えられた。しかしながら、野生型同様の二量体形成にはそれ以降の切断も必要であった。また、電子顕微鏡による各変異体ウイルス粒子の形態観察の結果から、ゲノムRNA二量体化の開始には必ずしもコア形成を伴わないことが考えられた。以上の結果をまとめると、ゲノム二量体化はその開始から終了までPr55の成熟化と平行して起こり、従来考えられていた形成されたコアの中でゲノムRNA二量体化が起こるという可能性が低いことが推測された。本研究で得られた知見は、ゲノムRNA二量体化の意義の全容解明に貢献できることが期待される。
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