線虫を用いたMAPキナーゼカスケードによる寿命制御機構の解析
Project/Area Number |
08J05007
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Environmental physiology (including Physical medicine and Nutritional physiology)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥山 哲矢 Kyoto University, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 老化・寿命 / C.elegans / ERK MAPキナーゼカスケード / インスリン / IGFシグナル伝達経路 / SKN-1 / C. elegans |
Research Abstract |
MAPキナーゼカスケードは、生物種を超えて保存されており、様々な生理学的現象を制御しているシグナル伝達経路である。これまでに申請者は、線虫を用いた研究により、寿命を負に制御するMAPキナーゼカスケードの遺伝子があることを明らかにしていた。一方、細胞増殖や個体発生などを制御しているERKカスケードが寿命の制御にも関与しており、寿命を延長するように機能することを初めて明らかにしていた。さらなる解析により、ERKの上流のキナーゼであるMEK1/2の阻害剤であるU0126を与えたとき、線虫の寿命が短縮されることを見出していた。また、線虫MPK-1を不活性化する脱リン酸化酵素LIP-1についてのRNAiによる発現抑制を行うことで寿命が延長されることを見出していたが、さらにLIP-1の欠失変異体が野生型の線虫より長寿であることを見出し、LIP-1は寿命を短縮するように機能することが分かった。これらのことから線虫ERK(MPK-1)の活性化によって寿命が延長されると考えられる。また線虫ERK(MPK-1)カスケードによる寿命制御は、インスリン/IGFシグナル伝達経路の重要な因子である転写因子DAF-16および酸化ストレス防御に必要な転写因子SKN-1に依存することを明らかにしており、さらなる遺伝学的解析から線虫ERK(MPK-1)カスケードはSKN-1を介しDAF-16の制御を通じて線虫の寿命制御に関与することを明らかにしていた。さらに生化学的解析により、線虫ERK(MPK-1)は活性化されたときSKN-1の核内移行の促進に重要なリン酸化サイトを直接リン酸化できることが分かった。本研究の成果は、平成21年に開催された第82回日本生化学会大会にて発表した。
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Report
(2 results)
Research Products
(2 results)