巨大サイズ水和クラスターの赤外分光による大規模溶媒和構造の解明
Project/Area Number |
08J05015
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
水瀬 賢太 東北大学, 大学院・理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | クラスター化学 / 水素結合ネットワーク / 水クラスター / 反応中間体 / レーザー分光 / 放射線科学 / 反応機構 / 物理化学 / 溶媒和 / 水の構造 / 芳香族求核置換反応 |
Research Abstract |
本研究は数十から数百の水分子がつくる、大規模な水素結合ネットワークに対して分光実験を成功させ、そのスペクトルから構造を考察、解明することを目的としている。平成22年度の研究では、最終目的としていた巨大サイズプロトン付加水クラスター200量体までの赤外分光実験に成功し、水分子の配位数やネットワークの環構造という観点からネットワーク構造の描像を考察した。この成果は、水のネットワーク構造という、極めて身近かつ重要な課題に対し、これまでになかった切り口からの情報を与えるものである。また、数百分子からなるきわめて複雑な系においても、分子レベルの構造情報を引き出せることを示した点は大きなbreakthroughであり、ボトムアップ的分子科学における重要な意義がある。さらに、水の取りえる多様なネットワーク構造それぞれの存在比がどのように変わっていくか、また、高エネルギーの光子や粒子の入射によって水のネットワークがどう変わるかといった問題に、10分子程度からなる水クラスターを対象とした赤外分光からアプローチした。それにより、2つの異性体が存在する系において、希ガス付加のような微弱な摂動のみでも両者の存在比は大きくことなることを観測した。また、ラジカルカチオン状態の水クラスター内において、OHラジカルが生成され、それが正電荷から乖離していくことを解明した。特に後者の結果は、放射線治療や核施設での冷却水の反応といった重要な応用を含む、「水中の放射線科学」の詳細な理解につながると期待される。
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Report
(3 results)
Research Products
(22 results)