ショウジョウバエを用いた拡張型アポトーシスと組織修復の関係
Project/Area Number |
08J05100
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Developmental biology
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
梅森 慎 Kobe University, 理学研究科, 特別研究員DC2
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | アポトーシス / JNK |
Research Abstract |
ショウジョウバエのT-box転写因子であるoptomotor-blind(omb)の突然変異体では、翅原基と呼ばれる組織において広範囲に及ぶアポトーシスが観察される。これまでに、1)このアポトーシスはストレス応答性キナーゼJNK民の活性化に依存すること、2)このアポトーシスの拡張因子としてTNFαのショウジョウバエ・ホモログであるEiger(Egr)が働いていること、3)JNK活性化とEgr発現は、相互誘導の関係にあることを明らかにしてきた。特に、JNK活性化によって発現が誘導されたEgrタンパク質が、JNKを活性化した細胞の隣接細胞において観察されたことから、JNK活性化とEgr発現の相互誘導の関係は、アポトーシスを広げる働きを有していることが考えられた。 本年度の研究では、JNKとEgrの相互誘導機構の解明を目指し、JNK活性化によって誘導されるEgr発現が、JNK活性化細胞に由来するものか、もしくは、隣接細胞に由来するものかどうかを検証した。egr遺伝子の突然変異をホモ接合で持つ細胞においてJNKの活性化を誘導したところ、隣接細胞においてEgrタンパク質が観察された。また、Egrタンパク質の拡散性を検証したところ、Egrは拡散しないことが推察される結果を得られた。以上より、JNK活性化によって誘導されるEgr発現は、JNKを活性化した隣接細胞に由来するものであることが示唆された。 本年度の研究によって、JNK活性化が、隣接細胞に作用しEgr発現を誘導する機構を明らかにした。これは拡張型アポトーシス誘導機構の解明に貢献する成果である。しかし、この作用を媒介する因子が特定されていないことや、omb突然変異体で見られるアポトーシスは広範囲に及ぶため、JNKとEgrの相互誘導のほかに大きな要因があると考えられるが、その特定には至っていないことなどさらなる研究が必要である。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)