Budget Amount *help |
¥2,100,000 (Direct Cost: ¥2,100,000)
Fiscal Year 2010: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2009: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
Fiscal Year 2008: ¥700,000 (Direct Cost: ¥700,000)
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Research Abstract |
時間・空間分解能に長けた脳磁図(MEG)を用い,聴覚における時間知覚の脳内処理『特徴』および『領域』を検証した。今年度は,脳磁場の周波数解析(位相同期,コヒーレンス解析)や多変量解析(主成分分析)を行うことで,時間知覚に関わる脳領域間のつながりや,時間知覚の内容を決定する脳活動のタイミングを推定し,それにより時間的同化に関わる脳活動の特徴を詳細に解明することを目的とした。 解析では,頭頂-前頭部に相当するセンサーから,聴覚時間判断に関連する誘導・誘発神経振動に焦点を当てた。刺激誘発の神経振動は両側側頭部のセンサー間の位相同期度を計算し,刺激誘導の神経振動は右前頭部のセンサーと他のすべてのセンサーとの位相同期度を計算した。位相同期度の計算は3つの刺激条件,2つの課題条件すべてに対して4つの帯域において行われた:θ(4-7Hz),α(8-13Hz),β(13-30Hz),低γ(30-50Hz)。両側側頭部センサーから得られた刺激誘発のθ振動は,聴覚刺激提示の間,課題にかかわらず増大した。一方で,右前頭部と他のセンサーとから得られた刺激誘発のβと低γ帯域の位相同期度は刺激終了後から時間判断条件において判断無条件に比べて増大した。最小二乗ノルム推定の結果から,これらの神経振動は誘発θについては両側の一次聴覚野,誘導βと低γについては右頭頂-前頭領域に推定された。このことより,聴覚時間判断は,βと低γ帯域における神経振動の位相同期に対応していることが示唆された。
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