Project/Area Number |
08J05495
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Literatures/Literary theories in other countries and areas
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
福嶋 亮大 Kyoto University, 文学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2008: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 中国 / 文学 / 近現代 / グローバル化 / 現代文学 / 文学研究 |
Research Abstract |
今年度の研究テーマは、20世紀前半において成立した中国の近代文学が、21世紀に入った今日の社会においていかに変容したかを探求するのに向けられた。もともと20世紀前半の段階で、胡適という学者が、過去の大衆文学の遺産を再利用するかたちで「白話文」で書くことを提唱し(文学革命)、その提唱が、それ以降の中国語の文体を大きく規定してきたことが知られている。しかし、21世紀に入ると、消費社会化が急速に進行するなかで、中国の外側の大衆文化が大量に押し寄せ、中国人の表現様式を大きく変えてしまった(グローバル化、あるいはポストモダン化)。そのなかで、従来の近代文学のある部分は生き残り、ある部分は衰退しつつある。 今年度は、21世紀初頭の新しいタイプの中国文学を観察することによって、20世紀の時点で形成されていた文学性とは何だったかを照射することを心がけた。つまり、「中国近代文学成立期における白話の社会的位置」という研究テーマを、いわば搦め手から展開することを目指した。その問題意識の下で2本の論文を執筆するとともに、日本を含めた東アジアのサブカルチャーとネットカルチャーを主題とした著書を発表し、相応の評価を得ることができた。 こうした脱領域的な研究アプローチは、世界的に見てもあまり例を見ない。グローバル化が進む社会の分析は、おそらく今後ますます重要性を増していくだろう。今年度はその分析のための礎石を築くことができたと思われる。
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