心不全の発症・進展に関わる分子機構の解明および心不全の新規分子標的療法の開発
Project/Area Number |
08J05653
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
内藤 篤彦 Kyoto Prefectural University of Medicine, 医学研究科循環器内科学, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | Wntシグナル / 心不全 / 老化 / p53 / 低酸素応答 / 心筋梗塞 / p53標的療法 |
Research Abstract |
本年度我々は、心不全モデルマウスの心臓において、その発現が上昇している可溶性Wntリガンド(soluble Wntligand:SWL)を同定し、そのWntシグナル活性化のメカニズムを解明した。古典的なWntligandは非常に疎水性が強く、autocrine,paracrine的にWnt蛋白が作用することによってシグナルが伝わるとされている。しかし我々は、慢性圧負荷モデルマウス、拡張型心筋症モデルマウスの血清が高いWnt活性化能を有していることを発見し、このよう血清中に存在する(つまり可溶性の)新規Wnt ligand:SWLが何らかの形で心臓に働き、心臓にWntシグナルを伝えることで心不全を誘導するのではないかと考え研究を進めている。我々は、2種類の心不全モデルマウス血清より、免疫グロブリン、アルブミンを除去した後、古典的Wnt ligandの受容体であるFrizzled蛋白とIgGの融合タンパクを用い、免疫沈降法によってSWL候補を抽出、SDS-PAGEによって展開し、MS/MS法によって、通常のマウス血清に比べ、心不全モデルマウスで発現が上昇しているFrizzled結合蛋白を同定した。4種類の候補のうち一つがWnt活性化能を有しており、SWLと命名し、その特性を解析した。SWLはFrizzledタンパクと結合し、Wntシグナルを濃度依存性に活性化することを確認した。SWLは心不全マウスの血清中でその濃度が約2倍に増加しているが、SWLは心臓自体から産生されていることが分かった。今後は、心不全にともなう心臓でのSWLの産生増加が、心不全発症の分子機構に関与するか、心不全によるSWL増加がendocrine的に遠隔臓器に作用し、心不全に伴う多臓器の機能不全に関与していないかについて実験を進める予定である。
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Report
(2 results)
Research Products
(1 results)