2型糖尿病における高血圧発症機構-高血糖による腎でのSGK1発現とNa再吸収-
Project/Area Number |
08J05712
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
樽野 陽幸 京都府立医科大学, 医学研究科, 特別研究員PD
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 上皮型ナトリウムチャネル / トラフィッキング / 低浸透圧 / ENaC / 高血圧 / プロテアーゼ / EGF-RK / アプロチニン |
Research Abstract |
ENaCは細胞内ストア部位と細胞膜上の二つの部位に分配され、この間をエキソサイトーシス及びエンドサイトーシスによりリサイクルしている。このエキソサイトーシス及びエンドサイトーシスの速度の制御により細胞膜上でのENaCの数が決まる。しかし、リサイクルしているENaCの総量が、リサイクルの速度定数とどのような相関関係にあるかは不明であった。これを調べるにあたり、細胞をBrefeldin Aに1時間暴露させ、細胞内総ENaC量を減少させた。1時間のBrefeldin Aへの暴露で総ENaC量は41%にまで減少した。Brefeldin A非投与群と投与群を比較することで総ENaC量と速度定数との相関を調べることができる。結果は、非投与群でエキソサイトーシス速度定数は0.22min-1、エンドサイトーシス速度定数は1.43min-1、投与群でエキソサイトーシス速度定数は0.82min-1、エンドサイトーシス速度定数は3.83min-1であった。すなわち、総ENaC量が減少することにより、リサイクル速度定数はエキソサイトーシスおよびエンドサイトーシスの両方共増加することが判明した。また、エキソサイトーシスの速度定数の増加率(3.73倍)の方がエンドサイトーシスの増加率(2.68倍)よりも大きいことも判明した。以上の結果より、以下の結論を得た。(1)エンドサイトーシスおよびエキソサイトーシスの速度定数は共に細胞内総ENaC量の低下により増大する。(2)ENaC総量の減少によりエキソサイトーシス優位になることはENaC総量の変化に対する内因性のフィードバック機構の存在を示唆している。本研究による発見は、蛋白質の発現量制御と細胞内局在制御を非依存的な制御機構とするこれまでの考え方を改めさせる意義深いものである。本研究結果はCellular Physiology and Biochemistry誌に掲載された。
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Report
(3 results)
Research Products
(2 results)