Project/Area Number |
08J05717
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | The University of Tokyo (2009) Tokyo University of Marine Science and Technology (2008) |
Principal Investigator |
黒木 真理 The University of Tokyo, 総合研究博物館, 助教
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2009: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2008: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ウナギ / 集団構造 / 資源保全 / 耳石解析 / 数値シミュレーション / 回遊生態 / 産卵生態 / 魚類生態学 |
Research Abstract |
ウナギ属魚類のなかで最大の分布域をもつ熱帯ウナギのオオウナギには複数の集団が存在する。そのなかで南日本から北部インドネシアにかけて分布する北太平洋集団は、東アジアに生息するニホンウナギと一部分布域を共有している。両種の産卵場は共に北赤道海流中にあると推測されているが、産卵場や仔魚の輸送経路がよく知られているニホンウナギに対し、オオウナギの場合は不明な点が多い。そこで本年度は、西部北太平洋において同所的に分布する両種の過去9回(1991~2007年)の調査航海の採集データ(オオウナギ189尾、ニホンウナギ約2,500尾)をとりまとめて比較し、熱帯ウナギの産卵生態を明らかにすることを目的とした。その結果、2006年7~8月と2007年8月、北緯14.5~15度、東経142~142.5度の北赤道海流域でオオウナギのプレレプトセファルス計31尾が採集され、本種がこの海域で産卵した事実が確認された。この採集地点は、ニホンウナギのプレレプトセファルスが採集された場所と重複しており、両種が西マリアナ海嶺南端付近で同所的に産卵することが明らかとなった。しかし、同じ採集努力を払ったにも関わらず、オオウナギのプレレプトセファルスの総採集尾数は、ニホンウナギに比べて少なく、1曳網あたりの採集尾数も、オオウナギはニホンウナギより少なかった。プレレプトセファルスと小型レプトセファルスの分布域をみると、緯度幅は両種で同様であったが、経度幅はオオウナギがニホンウナギより広く、両種の産卵場は北赤道海流域で一部空間的・時間的に重複しているものの、ニホンウナギが狭い範囲で大規模集中型の産卵生態をもっのに対して、オオウナギはより広い海域で小規模散発的な産卵をするものと推測され、両種の産卵生態に違いのあることが明らかとなった。したがって、各種・各集団に即した資源管理・保全策を構築することの重要性が示唆された。
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