繁殖をめぐる雌雄の進化的相互作用 :甲虫類の精子間競争と射精戦略
Project/Area Number |
08J05869
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Ecology/Environment
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山根 隆史 Okayama University, 大学院・環境学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 精液精成分 / 産卵促進成分 / 交尾抑制成分 / 性的対立 / 精子間競争 / 共進化 / 交尾抑制 / 付属腺タンパク質 / 生体アミン / 武器形質 / 遺伝的トレードオフ |
Research Abstract |
ヨツモンマメゾワムシの内部生殖器の抽出物にメスの産卵を促す効果を見出し、器官別と大まかな分子量で分けた抽出物の作用を調べたところ、この成分は付属腺に存在する分子量が14kD以上の成分による。以前に調査したアズキゾウムシは精巣もしくは貯精嚢に存在する分子量が14kD以上の成分によることからこれらの2種において大きな変異が見られ、これらの変異はマメゾウムシを含めた昆虫類のオスが有する産卵促進成分の進化について大変興味深い。 アズキゾウムシはメスの再交尾率が異なる地理系統間においてオスの内部生殖器に存在し、貯精嚢に存在すると思われる3kD~14kDの即効性、付属腺に存在すると思われる14kDの遅効性の交尾抑制成分の作用を調査したところ、両方の交尾抑制成分においてオスが有する成分の効果に違いはなかったが、その成分に対するメスの反応性に変異みられた。すなわち、メスの再交尾率の高い系統は感受性が低く、交尾率の低い系統は感受性が高かった。また、実際に両系統間で再交尾実験をした場合もオスが与える効果に違いはなく、メスの反応に違いがみられた。さらに、これらの系統を含めた6つの系統間で14kDの交尾抑制成分に対する反応とメスの再交尾率に正の相関がみられた。これらの結果はメスの再交尾変異はオスの交尾抑制成分に対する反応性が異なることが要因の一つであることを示しており、オスの交尾抑制成分とそれに対抗するメスという観点から進化生物学的に非常に意義のある発見であると考えられる。
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Report
(2 results)
Research Products
(5 results)