現代社会科学における合理的選択論の展開-80年代合衆国での方法論的転換を中心に
Project/Area Number |
08J06211
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Economic doctrine/Economic thought
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
西本 和見 Nagoya University, 経済学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2009: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
Fiscal Year 2008: ¥400,000 (Direct Cost: ¥400,000)
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Keywords | 合理的選択論 / 合理性 / 経済学史 |
Research Abstract |
本研究は、合衆国を中心に政治学と社会学を中心に戦後社会科学に広がりを見せている合理的選択理論の史的展開を、経済学史の立場から、多様な方法論的広がりを持っアプローチとして、総合的・実証的に分析することを目的としている。採用第2年度目の研究は、次のように行われた。第1に、本研究の方法論的アプローチとなる近代経済学史の科学哲学的アプローチについて、近代科学哲学の哲学的基礎、20世紀科学哲学について、特にT.クーンのパラダイム論とI.ラカトシュのSRPに関する情報・知見を得て、研究に生かした。第2に、採用第2年度は、社会学と経済学の関係について研究を行い、その成果を『経済社会学会年報』へ投稿論文として提出し、掲載された。これにより、社会学では政治学とは異なるかたちで、特に新古典派とは異質なものとして合理的選択論を受け止めており、したがって合理的行為の理解も社会学独自で経済学と差異があることが明らかになった。第3に、経済学と政治学の関係について行った前年度の研究の成果を、第73回経済学史学会全国大会や研究会で報告した。第4に、本年度は研究の最終年度であるため、昨年度までの研究の成果(すでに発表済みの論文など)と合わせて研究を総合した学位論文を執筆した。2度の公開セミナーと学位審査の時期にあたる9月-3月までは、研究を完成させるために執筆に専念する必要があったので、資料整理や収集にアルバイトを雇用した。学位論文では、本研究の目的である、1950年代以降ミクロ経済学の方法を政治学・社会学に応用しようとする合理的選択論の展開が、80年代を境に方法論的な分裂状態に変様しており、かつそれが政治学と社会学の展開の仕方として異なっていたことを明らかにした。
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Report
(2 results)
Research Products
(4 results)