クモ膜下出血後の脳血管攣縮に対するトレハロースの抑制効果
Project/Area Number |
08J06274
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Clinical veterinary science
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
越後 良介 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
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Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 脳血管攣縮 / トレハロース |
Research Abstract |
本研究は,クモ膜下出血後の最大の合併症である脳血管攣縮に対して,トレハロースの脳槽内投与が新規の治療オプションとなりうることを示し,その機序について解明することを主たる目的とした。昨年度までにラット大腿動脈攣縮モデルを用いた実験で,トレハロースの攣縮抑制効果を示していたので,本年度(平成21年度)は攣縮抑制機序の解明とより実際の病態に近いウサギ脳底動脈攣縮(クモ膜下出血)モデルでのトレハロースの有効性について検討した。まず機序の解明については,主にRAW264.7,あるいはHUVECという細胞株に溶血液による刺激を与えてその反応性を見たところ,トレハロースには溶血液刺激によって誘導される炎症を強く抑制する効果が確認された。また,溶血液は細胞膜脂質を過酸化するのだが,これについてもトレハロースによる防御効果が確認された。炎症や膜脂質過酸化は脳血管攣縮の増悪や助長を促す因子として広く知られている。したがって,トレハロースの攣縮抑制効果はこれらの事象を介して得られるという可能性が示唆された。また,ウサギ脳底動脈攣縮モデルを用いて脳底動脈の脳血管造影を行った実験では,トレハロース未使用群はトレハロース使用群に対して有意に脳底動脈径が縮小する現象が確認された。この結果から,トレハロースの脳血管攣縮抑制効果は,実際の病態においても有効に働く可能性が高まった。今後は最終的な臨床応用を想定した実験と攣縮血管細胞内でのトレハロースの挙動や攣縮助長物質の動態を追跡していく必要があると思われる。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)