硬X線偏光天文学を切り開くための高性能偏光検出器の開発研究
Project/Area Number |
08J06381
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Condensed matter physics 1
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
岸本 祐二 Yamagata University, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 硬X線 / 偏光 / 検出器 / 宇宙物理学 / 偏光検出器 |
Research Abstract |
本研究は様々な大体から飛来する硬X線の偏光情報取得を実現するために、最も偏光を検出しやすいと考えられる10keV~30keVのエネルギー領域に感度を持つ偏光検出器を開発することが目的である。平成21年度に実施した研究内容は以下の通りである。 (1)プロトタイプ検出器の構築 10keV~30keVに感度を持たせた偏光検出器を開発するために、散乱体としてBeを使用することが本研究の要である。そのため、円柱状のBeを実際に購入し、吸収体にはCsI(T1)シンチレーターを用いてプロトタイプ検出器を構築した。 (2)プロトタイプ検出器用データ収集系の構築 上記(1)で構築した検出器の性能試験を行うために、データ収集系の構築を行った。具体的にはプロトタイプ検出器の出力パルスを増幅、整形、A/D変換し、ボードコンピュータによってデータが保存されるような非常にシンプルなDAQシステムを構築した。 (3)偏光ビームラインの構築 上記(1)で構築した検出器の性能試験を行うためには10keV~30keV程度の偏光ビームが必要となる。そこで、Cd109線源から放出される22keVのX線をプラスチックで一度散乱させ、特定の散乱角の成分のみ取り出すことで偏光X線を取り出すビームラインを構築した。その結果として20keV付近のエネルギーを持つ偏光ビームの生成が可能となった。またこのビームラインのジオメトリでコンピューターシミュレーションを行い、このビームラインにより生成されるX線ビームの偏光度を58.4%と見積もることができた。 (4)プロトタイプ検出器の性能評価試験 上記(1)で構築した検出器に(2)で構築したDAQシステムを組み合わせ、(3)で構築したビームラインにより生成される偏光ビームを入射させることで、検出器の偏光に対する性能評価試験を行った。その結果、プロトタイプ検出器のモジュレーションファクターとして43.5%、検出率として18.6%という結果を得、本検出器が偏光検出器として機能すること実証した。
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Report
(2 results)
Research Products
(11 results)