高エンタルピー流における非平衡原子・分子過程計算コードの開発
Project/Area Number |
08J06494
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Aerospace engineering
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
荻野 要介 Tohoku University, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 衝突輻射非平衡 / 高エンタルピー流 / 原子・分子過程 |
Research Abstract |
地球大気組成種の非平衡原子・分子過程と高エンタルピー流の結合計算コードの開発を行った。本計算コードは、プラズマ内部の原子・分子励起状態間の遷移過程を直接解き、非平衡状態分布を計算する。考慮した遷移過程は、電子・原子・分子間衝突による励起、電離、解離過程、重粒子間衝突による化学反応、輻射の放出・吸収過程である。真空紫外から近赤外までの主要な発光スペクトルを解析できるように、各化学種の電子励起状態を選定してある。得られた状態分布から、比熱比や化学組成、輻射放出・吸収率などの巨視的物理量を計算し、流れ場の保存量にフィードバックさせる。従来の熱化学非平衡流体解析では評価することが出来なかった、励起種による流れ場への影響を正確に見積もることができる。対流や拡散流束も変化し得るが、特に化学反応生成率と輻射熱輸送量は数10%以上もの増減を示す場合もある。また、時々刻々変化するプラズマ流れ場の大域的な変動を追跡しながら、任意の時空間における発光スペクトルを数値データとして記録できる。分光装置により測定された発光スペクトルとの直接的な比較が可能となる。そのため、プラズマ内部状態をより精緻に解析することができ、高エンタルピー流実験との非常に密な連携を実現する。プラズマ内部の状態を特定することのできなかった高エンタルピー流研究において、今までになかった新たな視点を与えることとなる。原子・分子過程と流れ場を結合した非定常解析は世界的にも未だ行われておらず、基礎的な物理過程と工学応用とを結びつける研究成果である。非常に詳細なプラズマ流れ場解析手法の確立は、近未来の宇宙開発において重要な意味を持つと確信する。このような研究成果をもとに、国内外の学術会議にて計6件の口頭発表を行った。また現在、学術雑誌への投稿準備も進めている。
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Report
(2 results)
Research Products
(13 results)