Budget Amount *help |
¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
磁気軸受は回転体の位置および姿勢を磁力により制御することで,回転体を非接触で支持するための装置である.本研究課題で提案した磁気浮上式ジャイロは,磁気軸受における制御入力を利用して角速度を計測する機器である.磁気浮上式ジャイロでは,磁気軸受をそのままジャイロセンサとして用いており,その構造上の制約から小型化が困難であるとともに製造コストが高くなってしまうという問題があった.そこで,前年度中に小型化に適した構造を提案し,その試作機の製作を行った.本年度は前年度に製作した試作機に関して制御系を構成し,角速度計測実験を行った.以下に詳細を示す.試作機は浮上体およびこれを磁気支持するステータから構成されている.また,浮上体には回転体が内蔵されている.したがって,回転体に作用するジャイロ効果の影響によって,浮上体の挙動には軸間干渉が生じる.このため,ジャイロ効果を考慮しない場合には浮上体はステータに対して大きく変位してしまう.高精度で角速度計測を行うためには,浮上体はステータに対して変位しないことが望ましい.このため,サーボ機能を有し,ジャイロ効果の影響を補償する制御系が必要となる.そこで,このような機能を持つ制御系を構成した.構成した制御系を実機に適用して,浮上特性を取得した。その結果,相対変位に対してはジャイロ効果による軸間干渉を補償できていることを確認した.次に角速度計測実験を行った,その結果,およそ4[deg/s]の計測精度であった.この精度は従来の磁気浮上式ジャイロに比べ10倍程度劣るが,その原因は制御用変位センサのノイズであり,従来の磁気浮上式ジャイロと同じノイズレベルの変位センサを用いることで磁気浮上式ジャイロ以上の精度を実現できる可能性を示した.また,計測レンジに関しては±27000[deg/s]であり,他の種類のジャイロと比べても広いレンジを実現した。
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