進行性腎障害の治療のためのTGF-β1標的新規遺伝子制御薬、PIポリアミドの創薬
Project/Area Number |
08J06618
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Applied genomics
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
松田 裕之 日本大学, 大学院・総合科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2008 – 2010
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2010)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | HCaRG / 尿細管上皮細胞 / 急性腎不全 / re-differentiation / 腎細胞癌 / 細胞増殖 / ERBB受容体 / PI3K/Akt signal pathway / PIポリアミド / 腎硬化症 / TGF-β1 / 遺伝子治療薬 / differentiation / 細胞周期 |
Research Abstract |
Hypertension-related, calcium-regulated gene (HCaRG)の腎臓での役割について検討するため、ヒトHCaRGを腎臓に過剰発現させた遺伝子改変マウスを作成し、腎動脈虚血再還流マウスの急性腎不全モデルを用いて実験を行った。HCaRGは急性尿細管障害後の生存率を約2倍改善した。また、腎機能低下も有意に抑制していた。尿細管上皮細胞の増殖を調べたところ、HCaRGは間質の繊維芽細胞には影響を与えず、尿細管上皮細胞の増殖のみを抑制していた。尿細管上皮の表現系を調べたところ、遺伝子改変マウスでは、明らかに成熟型の尿細管上皮細胞が多いことが分かった。HCaRGは腎障害後の治癒過程において、p53と独立した経路のp21の発現を介して、尿細管上皮細胞の細胞周期をコントロールし、脱分化した尿細管上皮細胞を、成熟型細胞に誘導することにより、急性腎不全後の生存率を改善したものと推測された。 また、HCaRGを過剰発現させたマウス腎細胞癌細胞をマウスの皮下に移植したところ、HCaRGはコントロールに比べ、有意に腫瘍増殖、腫瘍血管新生を抑制した。腫瘍増殖抑制メカニズムを明らかにするため、PI3K/Akt/mTORとMAPK signal pathwayの発現について検討したところ、Akt, ERK1/2のリン酸化が抑制され、さらに下流のmTOR, HIF-1αの発現が抑制されていた。更に、これらの経路の上流に位置するERBB受容体はさまざまな腫瘍において過剰発現が報告されているが、培養細胞、皮下移植腎細胞癌の両方において、HCaRGはEGFRとHER3の発現をmRNAレベルで著しく抑制し、さらにHER2のリン酸化が抑制されていることが分かった。以上より、HCaRGはERBB受容体の過剰発現を伴う癌の抑制に働く可能性が示唆された。
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Report
(3 results)
Research Products
(11 results)