Project/Area Number |
08J06694
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Communication/Network engineering
|
Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
尾崎 光紀 Kanazawa University, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Project Period (FY) |
2008
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2008)
|
Budget Amount *help |
¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
|
Keywords | 自然電磁波動 / 電離層伝搬 / 多点観測 / 南極 |
Research Abstract |
我々の研究目的は、電離圏(上空高度60km〜1,000km程度までのプラズマ媒質で満たされた領域)の構造と磁気圏(電離圏よりもさらに遠方の地球磁場によってプラズマの運動が支配されている領域)から極域電離圏へのエネルギー流動過程を解明することである。その一環として、特別研究員期間中では、VLFエミッションをターゲットに、電離層透過域の推定を行った。 電離層透過域推定の方法として、我々が2006年に実施した南極・昭和基地周辺での自然VLF波動の多点観測データを用い、それを補うVLFエミッションの電離層下降伝搬の理論解析を行い、両者の結果の比較を行った。これにより、観測と理論を満たす電離層透過域の位置分布を得ることが新たに可能となった。本推定手法は、理論の結果を反映させることで、従来の研究で考慮されていない電離層-大地多重反射の影響、地球磁場の影響を考慮できている点が特徴である。そして、実際の観測イベントとしてオーロラヒスに対し電離層透過域の推定を行い、オーロラの光学観測の結果と比較を行った。その結果、オーロラヒスの電離層透過域と関連するオーロラの方位は一致したが、両者の天頂角は若干の違いが現れた。この違いは、過去の研究で報告されているように、地球磁場に沿って降下する高エネルギー粒子とオーロラヒスのレイ方向の違いに起因する結果が、我々の研究結果でも確認できたものであると考えている。そしてこの違いは、今後地上観測から、磁気圏のオーロラヒスの発生域を知る情報源に成りえる。 以上のように本研究では、観測と理論の両方の特徴を有する電離層透過域の推定手法を新たに確立し、実際の観測イベントより、オーロラヒスの電離層透過域の推定に成功した。
|