Project/Area Number |
08J06879
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Politics
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
関 能徳 Waseda University, 政治学研究科, 特別研究員(DC2)
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Project Period (FY) |
2008 – 2009
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2009)
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Budget Amount *help |
¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2009: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
Fiscal Year 2008: ¥500,000 (Direct Cost: ¥500,000)
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Keywords | 政治学 / 比較政治学 / 政治経済学 / 計量政治学 / 事例研究 / 政治体制変動 / 選挙権威主義体制 / セルビア共和国 / 政治体制の変動 / 政治体制の類型化 / 国際研究者交流 |
Research Abstract |
平成20年度に引き続き、選挙権威主義体制の持続と崩壊の論理に焦点をあて研究を行った。国家間の比較によって仮説を実証するとともに、セルビア共和国の県(Okrug)レベルの政治経済データを用いて仮説の核となる仮定を検証した。国家間比較で検証された仮説は、「選択者(selectorate)の規模が大きいほど選挙権威主義体制における為政者は私的財の再分配よりも公共財の再分配を選好するため、有権者は為政者の選択について無差別になりやすく、民主制への移行を経験しやすい」であり、国家間比較では検証できなかった「選挙権威主義体制のもとでも選択者の規模に応じて実際に公共財の再分配が行われる」という仮説の仮定をセルビアのデータで実証した。研究成果は田中愛治監修・河野勝編『期待、制度、グローバル社会』の第6章に、「選挙権威主義体制の持続と崩壊の論理:経験的検証」という題目で掲載された。同論文ではまた、政治体制の類型化における選挙権威主義体制の位置づけを詳細に論じ、その世界大での拡大を独自のデータで示した。総じて、本研究の成果によって、我が国の学会における選挙権威主義体制および体制変動の研究を前進させることができたと考えられる。 今年度はさらに、笹岡伸矢(新潟県立大学)とともにアジア・バロメータの世論調査データを分析し、アジアにおいて、民主主義あるいは独裁という政治体制の分類が人々の抱く幸福感を規定しているかを検証した。分析結果によると、政治体制の類型による影響はアジアで見られず、むしろ人々が自らの享受する政治的権利や市民的自由に満足しているほど、幸福感を得やすいことがわかった。研究成果は猪口孝(新潟県立大学)の編集による本の一章として、Edward Elgar社より出版される予定である。
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