Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2010: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2009: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2008: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Research Abstract |
非コンパクト型リーマン対称空間上の分散型方程式の解に対する時間大域的平滑化評価について考察した.非コンパクト型リーマン対称空間の具体例としては双曲空間,有界対称領域などがあげられる.一般に,シュレディンガー発展方程式を代表例とする分散型方程式は有限伝播性を持たず,解の特異性が,主表象から生成されるハミルトン流に沿って,速度無限大で伝播する.ハミルトン流がコンパクト集合に捕捉されない場合,時間平均を取ることで解の滑らかさが初期値よりも上がり,平滑化効果と呼ばれる現象が起こる. 本研究では,昨年度得られたラプラス-ベルトラミ作用素に対する重み付きレゾルベント評価を一般の斉次楕円型フーリエマルチプライアーに拡張し,付随する分散型方程式に対する時間大域的平滑化評価を得た.また,低周波数を込めた評価においては,擬次元という自然数がマルチプライアーの階数の上限として現れ,この上限が最適であることがわかった.この結果から,非補足条件が満たされている場合には解の低周波数に対する時間大域的平滑化評価に底空間の幾何学的特性が現れることが推測できる.また,非コンパクト型リーマン対称空間に付随するルート系が,正定数倍のルートが自身に限るルートに対し,その多重度が2以上という条件を満たす場合に,実数値短距離型のポテンシャルにより定義されるシュレディンガー作用素に対して本質的スペクトルに埋め込まれた固有値の非存在と,付随する分散型方程式の解に対する時間大域的平滑化評価を得た.
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